ねほりんぱほりん「婚活をあきらめた人」2025-03-11

2025年3月11日 當山日出夫

ねほりんぱほりん 婚活をあきらめた人

結婚について、理想を追求するか、あるいは、現実に妥協するか、このあたりは、時代のなかで変化のあることだろうと思う。この番組で語られたことは、おそらくは、現代における結婚観の一端をしめすことになっていたとは思う。

今から数十年ぐらい前まで、戦後しばらく時代まで、普通の人なら結婚するものであり、その相手は、まあまあ現実的な判断で決まっていたということになる。そのことの善し悪しは、とりあえずおいておくとして。

ただ、観念の上では、恋愛結婚至上主義という考え方が、戦後になって急速に広がったことはたしかである。だが、これも、実際に恋愛結婚が、それまでの見合結婚を上回るようになるのは、いくぶんの時間的経過を要したことにはなる。

一緒にいて楽しい人、会話が楽しい人、というのは、かなりハードルが高いように思えてならない。それよりも、年収いくら、と判定した方が、よほどすっきりする。性的な関係は、年齢が一定以上になれば終わってしまうが、その後のことを考えると、会話が楽しい人でなければならない、これは、分からなくはない。しかし、これを絶対条件として求めるのは、どうだろうか。

こういう価値観では、おそらく森鷗外の「じいさんばあさん」に描かれたような夫婦の関係は、想像を絶するものかもしれない。だが、こういう夫婦もあったというのが、歴史でもある。

なお、わりと最近読んだ本では、『恋愛結婚の終焉』(牛窪恵、光文社新書)が面白い本だった。

2025年3月9日記

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