長尾真先生とリポジトリのことなど2008-04-27

2008/04/27 當山日出夫

現在の国立国会図書館長の長尾真先生とは、幾度か会っている。最近では、人間文化研究機構の資源共有化記念のフォーラムにおいて。かなり以前のことになるが、CH研究会でも、お話ししたことがある。実は、このブログの運営主体である、アサヒネットがパソコン通信であった時代、長尾真先生の門下の方と知り合いであった。

先日の、ARGのオフ会(京都)でも、国会図書館の方たちを話しをしたが、非常に、職員の人たちから、慕われているという印象を得た。

これとは別に、本の問題である。

私が見ているブログのひとつに、茗荷バレーで働く社長の日記、がある。その2008年4月27日で、長尾真先生の発言にふれてある。

http://d.hatena.ne.jp/myougadani/

ここで触れてある問題は、単に、図書館・出版業界の問題ではない。朝日新聞の4月11日(大阪版・朝刊)、大学などの機関リポジトリのことがとりあげられている。現在、その記事そのものをオンラインで見ることはできないが、次のHPに記録がある。

Digital Repository Federation

http://drf.lib.hokudai.ac.jp/drf/index.php?press

この問題も、結局は、有料・無料の対立点がある。

ただ、この問題について、純然たるユーザの立場、あるいは、研究者の立場からいえば、機関リポジトリには、おおいに賛成である。

第一に、自分が読みたい論文が、すぐに読めること。

第二に、これは、上記のことの裏返しであり、あまり多く人は言っていないようであるが、自分の論文が、より多くの人に読んでもらえること。これが、最も研究者としては、重要なことだと思っている。

私は、有料であってもよいと思う。図書館(公立の図書館であれ、大学の図書館であれ)まで出かけていく交通費と、コピーの代金、それと、その便利さを総合的に判断してということになる。

しかし、だからといって、紙媒体が不必要とは思わない。情報処理学会でも、電子ジャーナル化の方向に向かって動いているようであるが、研究会報告などは、紙であった方がよい。

なんとか、紙メディアと電子メディアとが共存するシステムを考えなければならないだろう。デジタルアーカイブの議論も、このことを、ふくむものであるべきだと考える。このあたり、「アーキビスト」の人たちがどう考えているか、今後、見ていきたいものである。

「投げ銭」も一案であろう。また、有料のメールマガジン、例えば、「サイエンス・メール」などもあっていいだろう。ただ、デジタルの世界では、物理的にモノ(=書籍)を所有するという概念・発想自体が、崩壊するのである、という認識は必要かと思う。

當山日出夫(とうやまひでお)

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