JADS研究会:EurpeanaとMLA(4)2009-03-18

2009/03/18 當山日出夫

先日(14日)のJADA研究会の感想のつづき。

菅野さんの発表のなかで印象的だったことの一つ。それは、Europeanaの次の展開として、「ビジネス」を視野に入れていること。具体的には説明がなかったが、著作権処理の次のステップとしては、いや、著作権処理を考えるとき、同時に、コンテンツのビジネス利用を考える、ということになろう。

この点では、それよりの前の、立命館でのDH国際シンポジウム。たしか大英博物館の人の発言。教育、研究目的での利用は自由。また、ビジネス目的での利用も、相談に応じる(場合に、よっては割引もあり得る)。

例えば、浮世絵などのコレクション。日本の所蔵機関でビジネス利用に応じるところがどれほどあるであろうか。ならば、いっそのこと、日本国内は相手にしないで、直接、外国の美術館・博物館にアクセスして交渉した方が、てっとりばやい、ということになる。

これを言い換えるならば、日本国内の所蔵機関は、せっかくのビジネスチャンスを失ってしまう、のである。研究でもたちおくれ、ビジネスでもチャンスをのがし、結局、所蔵しているだけに終わりかねない。

文化資源のデジタル化、そのグローバルな展開というのは、このようなことも意味する。

當山日出夫(とうやまひでお)

図書館にある古文書2009-03-18

2009/03/18 當山日出夫

ARGのブログ版を見ておもったこと。

http://d.hatena.ne.jp/arg/20090317/1237221586

ここでは、茨城大学の図書館について記してある。茨城大学の図書館のHPで 図書館通信『階(きざはし)』を見る。その最新号は、

石神組御用留(いしがみぐみごようどめ)

という古文書の展示会のこと。表紙から説明をコピーすると、

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「石神組御用留」は本学図書館が所蔵する古文書で、東海村の石神地区にあった郡奉行所(水戸藩の出先機関)の役人が、1809(文化6)年に書きとめた、1年間の行政の記録です。
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こういう「史料」は、アーカイブズの世界でとりあつかう、あるいは、歴史学の史料である。しかし、所蔵は、大学であり、図書館、である。

http://www.lib.ibaraki.ac.jp/kizahashi/kizahashi.html

MLA+U(=University)の連携がなければ、このような史料の有効活用はできない。

當山日出夫(とうやまひでお)