『どんど晴れ』「失意の帰郷」2025-12-07

2025年12月7日 當山日出夫

『どんど晴れ』「失意の帰郷」

この週は、盛岡での女将修行をあきらめて、横浜に帰った夏美のことであった。加賀美屋で、女将修行での苦労を描くドラマといういことで見ているのだが、途中にこういう挫折(?)ということも、あっていいことになる。

ただ、見ていて思うことだが、ちょっと話しの筋に無理を感じる。

夏美は、仲居としてミスをしたということになるが、その責任のとりかたと、加賀美屋という旅館の経営のあり方とは、別の次元のことだろうと思う。女将修行中、仲居見習いという立場であっても、旅館の従業員であることには変わりないのだから、組織としての加賀美屋において、何の処分もない、ということにはいかないはずである。普通は解雇ということになるかもしれないが、それでは、ドラマにならないから、このドラマのように作ってあるのかと思う。そう思って見るのだが、しかし、ちょっと無理があるかなあ、とは感じてしまうところである。

それから、横浜に帰ってきた夏美を、柾樹は自分のアパートに泊める。これもどうだろうか。こういうときには、柾樹は自分の勤務しているホテルに部屋を用意して、そこに泊まらせる。そこで、旅館とホテルという違いはあっても、宿泊・接客業ということの、基本の考え方を学び直すきっかけになる、というような展開の方が、素直ではないかと、見ながら思って感じたことである。

柾樹がホテルにつとめているということが、これまでの話しのなかで、ほとんど意味のあることとして描かれていない。普通の企業の会社員であっても、同じようなドラマになるだろう。さて、柾樹のつとめるホテルのことが、これからドラマの展開にどうかかわるのだろうか。(以前にも、一度、見ているのだが、このことがほとんど記憶に残っていない。)

2025年12月6日記

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