「赤い靴を履いて」2023-06-12

2023年6月12日 當山日出夫

ETV特集 赤い靴を履いて〜作家 有吉佐和子の問いかけ〜

有吉佐和子の作品のいくつか読んだと憶えている。が、そう熱心な読者ではなかった。

『華岡青洲の妻』は読んだ。『紀ノ川』は、どうだったろうか。『複合汚染』は読んだが、特に強い印象があったということはない。『恍惚の人』は読んでいない。

有吉佐和子が、今、再び注目されているという。今の時代において、かつて有吉佐和子が書いたようなテーマで、果敢にいどんでいく作家が少なくなったということなのかもしれない。

放送(録画であるが)を見ていて、出てこなかったのが、『悪女について』。これは私は傑作だと思って読んだのを憶えている。現代に生きる女性というものを、多面的に捕らえている。このような小説は、女性ならではのものかもしれない。(まあ、このような感想をいだくというのも、ある意味では問題なのかなとも思うが。やはり、男性とか女生とか、そういうことを抜きにして文学作品は評価されるべきだろう。)

『悪女について』は、文体論としても面白い。一人の作家が、どれほど多くの文体を変えて書けるものなのか、私個人としては、計量文体論の課題として面白い作品ではないかとかねがね思っている。

『非色』は、話題になっている本であるということは知っているのだが、さて、今の私としては、これを今から読んでみようという気にはならないでいる。が、これも、若い人は読んでおくべき作品であると言うべきだろうか。

2023年6月9日記

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