CH81(2)2009-01-25

2009/01/25 當山日出夫

先日の京都でのCH81(情報処理学会、人文科学とコンピュータ研究会)のつづき。

(3)文芸作品に見る日本語音節統計の歴史的特性(佐藤大和)

佐藤さんの発表は、毎回、すばらしい。これまで、小津映画の分析が面白かった。その構図や、ショットの長さ、これを機械的に分析するだけの、きわめて工学的でシンプルな方法で、小津映画の本質にせまる研究を、発表してきている。

今回は、日本語の音節(シラブル)の研究。結論で次のようにある。

>>>>>
日本語の音節は、この歴史的期間において様々な消長があったものの、それぞれの時代音節記号系は一定の分布特性をもち、その特性は時代によって大きく変動していないことが明らかとなった。(p.24)
<<<<<

あつかった資料は、万葉集・源氏物語・平家物語・夏目漱石、であり、一般的な日本語史の観点からは、音節言語から、モーラ言語への転換について、まず考えてしまう。今回の佐藤さんの発表を聞くと、いったい音節言語→モーラ言語、というのは、いったい日本語にとって何だったのだろうかと、素朴に思ってしまう。

今後の佐藤さんの研究に期待するとともに、自分でも、勉強しなければと思った次第である。

(4)頻出文字列に基づく古今和歌集と新古今和歌集の比較分析の試み(斎藤康彦)

簡単にいえば、『古今集』『新古今集』を題材にしての、nグラム分析である。工学系の人が、日本の古典文学をあつかう時の、ひとつの視点ではあるのだが、類似する先行研究として、近藤みゆきさんや、山元啓史さんなどの、研究がある。

私の感想をいえば、国歌大観CD-ROMの利用、あるいは、単に書物を人間が読んで分かる、それ以上のことを、別の手法で、きれいに見せてくれる・・・というのを、期待したいのだが、なかなか難しい。

當山日出夫(とうやまひでお)

コメント

_ 山元啓史 ― 2009-01-26 23時59分06秒

佐藤先生の研究や和歌の研究の発表があったので、ぜひ聞きに行きたいと思っていたのですが、引っ越しやら書類準備やらで出かけられませんでした。でも、當山さんのブログで多少なりともなにがしかの当日の様子が感じられたので、ありがたかったです。佐藤先生の研究は佐藤先生ご自身が工学者であると同時に言語学者でもあり、手法と内容の両方に偏りなく論文にされていて、いつも勉強になります。そういう論文を私も書き続けていきたいと思います。さらに、じんもんこんだけでなく、文学を専門とする人達の前で、あるいは工学を専門とする人達の前でというように、どんどん他流試合をやっていきたいように思います。

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2009/01/25/4080098/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。