歴史探偵「光る君へコラボスペシャル」2024-01-06

2024年1月6日 當山日出夫

歴史探偵 光る君へコラボスペシャル

この番組、NHKの大阪の制作なのだが、どうもいまいちということが時々ある。決して間違っているというのではないが、常識的に知っていることの範囲を出ないというか、あるいは、同じことを伝えるとしても、もうちょっと方法はないのか。

この回は、『光る君へ』の放送を前にしての特別企画である。内容としては、平安時代の貴族の暮らしについて、紫式部について、藤原道長について、まあ、普通に『源氏物語』など読んでいる、国文学研究の周辺にいる人間なら、知っていることである。特に目新しい新知識というものはなかった。

番組で登場していたのは、国際日本文研究センターのデータベース。今、平安時代の古記録については、他に東京大学史料編纂所のデータベースも利用する。(今、歴史学を勉強しようとするなら、これらのオンラインのデータベースを使いこなさないと、なんにもできないという時代になっている。)

書については、平安時代の古筆そのままの再現はむずかしいだろう。何よりも、現代の人間は変体仮名が読めない。これは、それらしい雰囲気をどう出すかということになる。『源氏物語』には、手紙を書くとき相手と内容によって書きぶりを変えるということもあったかなとも思うが、どうなるだろうか。

なかで、行成の行動のことが出てきていたが、さらに問題になることとしては、牛車に乗って、具体的にどのルートで行き来していたのか、ということがある。

また平安時代を語るのに、王朝貴族の視点だけからは難しいところもある。このあたりのことについては、『光る君へ』でどのように描かれることになるだろうか。

2024年1月3日記

「市民が見た戦乱のガザ 12月」2024-01-06

2024年1月6日 當山日出夫

BSスペシャル 市民が見た戦乱のガザ 12月

憎悪の連鎖がもたらすものは、普通の市民の悲劇である。

今回のパレスチナでの戦争については、ハマスの攻撃、人質の略取ということがあるにはちがいない。だが、イスラエルが報復するとしても、限度を超えているとしかいいようがない。

これが、ハマスの戦闘員とイスラエル軍との戦闘に限られるなら、まだましかという気もする。だからといって、戦闘がいいとは思わないが。しかし、一般の市民が犠牲になることがあってはならない。

一般市民の視点から、ガザ、ヨルダン川西岸で、何が起こっているのか記録したものとして価値がある。そして、それは、見るものの想像力に訴えるものがある。

余計なことかもしれないが、同じようにイスラエルの市民は何を感じているのか、これも気になるところである。私の立場としては、将来的にはパレスチナにおける平和的共存という方向にしか解決の道はないのだろうと思っているが、はたしてこれからどうなるだろうか。

2024年1月3日記