「コンテナ全部開けちゃいました!~仙台港編~」2024-01-26

2024年1月26日 當山日出夫

この番組は時々放送になるのだが、とても面白い。日本からどんなものが輸出されているのか、逆にどんなものを輸出しているのか、その一端から日本の姿、世界と日本の関わりが見えてくる。

この回は仙台港。あつかっていたのは、

牡蠣
スケソウダラのすり身 笹かまぼこの原料
タイヤ
カオリン 紙のコーティングに使う
リチウムイオン電池 ハイブリッド車用

日本からこんなものを輸出しているのかと思うものもある。フィリピンで経済発展をして、日本産の生牡蠣が富裕層の間で食べられるようになっているというのは、まさに、世界の経済情勢を反映していることになるだろう。

笹かまぼこの原料の半分ほどが、海外からの輸入であるということも興味深い。

タイヤのコンテナへの積み方が面白い。なるべく隙間を少なくするために、いろんな工夫があるものである。

カオリンは紙のコーティングに使う。そういえば、上質な写真集などに使う紙のことをコート紙というのを思い出した。

リチウムイオン電池は、日本がシェアを持っているということなのだが、これも将来的にはどうなるだろう。世界的なEVの普及によって、この分野の産業構造は世界的な規模で変わっていくにちがいない。

それから、二〇一一年の震災の後、仙台港の復興に携わった人びとの奮闘の様子が紹介されていた。このような人びとの努力によって、今日の姿があることになる。ガントリークレーンが使えなくなって、建設用のクレーンで時間をかけてコンテナを船に積み込んでいたということは知らなかった。苦労と工夫があったことになる。

2024年1月19日記

「ジーン・シャープ“独裁体制から民主主義へ” (3)非暴力ゆえの勝利」2024-01-26

2024年1月26日 當山日出夫

100分de名著 ジーン・シャープ“独裁体制から民主へ主義へ” (3)非暴力ゆえの勝利

この回でとりあげていたのは、リトアニアの事例。

これも、リトアニアがかつては独立国であって、ソ連に支配されているという歴史的な流れがあってのことであろう。ベルリンの壁の崩壊からソ連の解体にいたる流れのなかで、リトアニアは独立を果たしたことになる。そこにおいては、非暴力闘争が重要な役割をもったことはたしかであろう。

だが、ここにおいても疑問がある。そもそもリトアニアが独立国であったという人びとの意識、冷戦終結にいたる自由と民主主義への流れ、この大きな流れのなかで可能になった希有な事例と見るべきかと考える。

そももも、独裁体制はいけないものであるという、民主主義こそが尊い……このような価値観は、今の世界の多くの国々にとって普遍的であるとは言えないと思うが、どうだろうか。今の中国など、人びとの暮らしが安定して生活できるなら、今の体制を支持する、という人びとが多数であると思えるのだが、どうだろうか。すくなくとも、軍や警察による恐怖支配で国家を維持しているのではない。多くの国民の支持があることは確かなことであろう。

香港で起こったことは、どう考えるのか。(おそらく中国全体の体制変革が起こらない限り、香港に自由は戻ってこないと思うが。)

さらに天邪鬼なことを書いてみるならば、番組の冒頭で、ウクライナのことに言及していた。では、ウクライナの人びとが、あるいは、ロシアの人びとをふくめて、どのような非暴力闘争を展開したらロシアの侵攻を諦めさせることが可能なのだろうか、ここで具体的な方法を示さなければ何も言っていないに等しいと、私は思う。

2024年1月25日記