人文学及び社会科学の振興に関する委員会2008-12-27

2008/12/27 當山日出夫

昨日、文部科学省の「人文学及び社会科学の振興に関する委員会」について言及した。情報源は、笠間書院のMM。

デジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)を考えるには、まず、現在の人文学の現状について確認の必要がある。

で、ふと気になって、このタイトルの語で、Google検索してみると、ほとんど、ネット内での言及がない。それほど、知られていない、ということであろうか。どうせ、文部科学省の委員会であるから、「無視」、ということもあるかもしれない。

しかしながら、ひととおり読んでみるに値する文章であるとは思う。再度、URLを記しておく。(長いので、ブラウザによっては、画面の右にはみ出すかもしれません。少なくとも、FireFoxでは大丈夫ですが。)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/gijyutu/gijyutu4/015/siryo/08080112/002.htm

「なにのやくにもたたない」ということを自負している(?)人文学研究に、社会的役割をもとめる(無理矢理にそうでも言わないと立つ瀬がない)、という妙な箇所もある。生命倫理から、『カラマーゾフの兄弟』につながったり。

直接は「なにのやくにもたたない」、けれども「必要」、ということはある。それは、専門の研究分野としてであるよりも、基礎教養として、ということになる。割り切った表現をとれば、「タコツボ」と「ササラ」になる。ここは、「無用の用」などと洒落てみるよりも、これからの未来をになっていく若いひとたちに、どのような人文学的基礎教養が必要なのか、考えねばならないときである。

具体例をいえば、過日のできごと。ある大学で、たまたま授業日が、12月8日であった。これは、日本語教師養成のための日本語史の授業。で、はじめに、「みんなは、今日が、何の日であるか知っていますね」と聞いてみて、反応はゼロ。

これは、どう考えればいいのだろうか。高校で日本史をしっかりと教えろ、という問題では済まない段階にさしかかっている。(ちなみに、その教室には、韓国からの留学生も何人かいたので、私は、説明に窮してしまった。歴史認識以前の問題だ、これは。)

當山日出夫(とうやまひでお)

蛇足のこたえ:12月8日。昭和16年(1941)の12月8日、日本は、アメリカとの戦争をはじめた。真珠湾攻撃の日。これは、日本時間。アメリカのワシントン時間では、時差の関係で、12月7日になる。それから、この日は、仏教にとっては、成道会(じょうどうえ)。仏陀(お釈迦様)が、悟りをお開きになった日。

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