『エール』あれこれ「エール」2020-11-29

2020-11-28 當山日出夫(とうやまひでお)

『エール』最終週「エール」
https://www.nhk.or.jp/yell/story/week_24.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年11月22日
『エール』あれこれ「恋のメロディ」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/11/22/9319079

いろいろとあったが、このドラマも終わった。批判的なことも書こうと思えば書けるが、しかし、ここは無事にこのドラマが終了したことを喜んでおきたいと思う。

古関裕而という人は、時代とともにあった人間だと思う。だから、戦争中の軍歌の作曲なども手がけることになるし、一方では、東京オリンピックも作曲することになる。常に、日本の人びととともに生きてきて、仕事をしてきたことのあかしとすべきことだろう。

COVID-19の影響で、途中で放送が中断するなどのアクシデントがあったが、しかし、そのようなことをふくめて、このドラマは、朝ドラの歴史の中に残る名作といっていいだろう。それは、まさしく、昭和という時代を、歌で描いたことによる。戦前、戦中、戦後の時代を、世の中の流れ、人びとの気持ちとともに、古関裕而の歌があった。そして、その多くは、今も人びとによって歌い継がれてるものになっている。

まさに、古関裕而の歌こそが、このドラマの成功の重要な要素である。そして、その歌を歌った歌い手(役者)もよかった。

異例といえば、最後の終わり方も異例だった。主な出演者で、NHKホールでのコンサートということになった。このような終わり方をしたドラマは、これまでになかったのではないだろうか。だが、これは非常によい終わり方であったと思う。古関裕而の歌が、この国の人びとの気持ちの中にのこっていることを、十分に伝えるものとなっていた。

さて、次週からは、新しいドラマ『おちょやん』である。これも、戦前の大阪を舞台にどのようなドラマになるのか、楽しみに見ることにしたいと思う。

2020年11月27日記