3か月でマスターする世界史「(1)古代文明のはじまり カギは“遊牧”」 ― 2026-07-08
2026年7月8日 當山日出夫
3か月でマスターする世界史「(1)古代文明のはじまり カギは“遊牧”」
再放送である。最初は、2024年。このときの放送は見ていなかった。その後、刊行になった、
『NHK3か月でマスターするMOOK もっと深く知る アジアから見る世界史』
は読んだ。Kindle版であるが。
第一回を見て思うこととしては、なるほどこれをうけて、後の、「3か月でマスターする古代文明」という企画になったのか、ということを思う。要するに、歴史学者と考古学者の考え方の違い、ということになるのだが、考古学の立場から、それは違うだろう、ということで作ったのが、「古代文明」と思っていいだろうか。
文明のはじまりを、特に、世界の古代の四大文明に限らないとしても、定住農耕からスタートするのは、ちょっと違うかもしれない、そう考える余地はあるだろう。
「世界史」では、その始まりを、遊牧民の視点から見る。それは、ユーラシア大陸を移動し、各地の人びとの仲立ちとなり(つまりは、交易にかかわり)、定住農耕文明も、遊牧民の存在がなければ、その都市文明を発達させることはなかった……このような理解でいいだろう。
ユーラシア大陸を、遊牧民の視点から見るというのは、特に目新しいことではないかとも思う。私などだと、どうしても、『文明の生態史観』(梅棹忠夫)を思い出すことになる。あるいは、新しいところでは、『中国化する日本』(與那覇潤)も、思いうかぶ本である。
ユーラシア大陸という全体から見れば、西欧の文明というのは、つい最近になってから出来た新参者、ということになる。(だが、その西欧の文明が、近代的な啓蒙思想を生み、産業革命を起こし、アメリカと一緒になってグローバルスタンダードの価値観になっていることは、また、一つの事実である。このような番組をつくる基本にある、歴史学研究の基礎にあるのも、近代西欧のものの考え方である。)
余計なことかとも思うが、交易ということを考えるには、『贈与論』ということも考えなければならないとは思うが、今の歴史学研究では、もう古いということなのだろうか。
現代のでは、人類の歴史を考えるとき、古気候学やDNA解析の知見は必要である。気候の変化と、狩猟採取、牧畜、農耕とはきりはなせない。また、現在の世界の各地に住む人間のDNAについても分かってきている。ただ、DNA解析の結果と、人間の文化や社会や民族の、連続性/非連続性、ということについては、慎重であるべきとは思う。
2026年7月6日記
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