デジタルアーカイブを探す2010-10-22

2010-10-22 當山日出夫

今年度の後期の授業の一つは、『ARG』を学生と一緒に読む、という予定をしていた。シラバスを書いたのは、一年にもならないが、半年以上は前になる。これだけ時間がたつと、『ARG』も性格が変わってきてしまって、(別に批判する意図はまったくない)、図書館関係の記事がおおきくあつかわれるようになった。以前のように、新発見の学樹情報サイトの紹介がなくなってしまっている。

文学部の、それも、一般教養的な科目としての授業だから、あまりにも、図書館業界の話しばかりするというわけにもいかない。どうしようかと考えて、まずは、「デジタルアーカイブ」の話しでもするか、というところ。

たとえば、文化遺産オンラインなど、基本的なところから、はじめて、国会図書館の近代デジタルライブリーとか、各種の機関リポジトリとかの、話しをすることになるだろう。

このとき、役にたつ情報源としては、『ARG』にかわるものとしては、やはり、渋沢財団のブログ「情報の扉の、そのまた向こう」、それから、国会図書館のカレントアゥアネス、になるだろう。

学生には、基本的なものを紹介しつつも、今、おこっている最新の動向もつたえていきたいと思っている。が、どうなること、来月ぐらいから、本格的にである。(これまでは、「デジタルアーカイブ」以前の、旧来の意味での「アーカイブズ」の話しをしておくことに。)

當山日出夫(とうやまひでお)

『中原の虹』第二巻2010-10-22

2010-10-22 當山日出夫

ようやく、『中原の虹』(浅田次郎、講談社文庫)の第二巻まで読み終えた。しかし、NHKもよく『蒼穹の昴』をドラマ化するな……と、関心してしまう。(私は、見ないが。)

いまの中国の「領土」の範囲はどのような歴史的経緯できまっているのか、あまり、政治的なことについて発言するのは好まないが、この問題については、清朝から、近現代の中国史の流れについての視点が不可欠。国境とは自然にきまっているものではなく、近代的な国民国家の約束事である、と言ってしまえば、それまでか。

『悪霊』(亀山郁夫訳、光文社古典新訳文庫)もあるし、それに、『エアーズ家の没落』(創元推理文庫)も読んでいない。たまっていくばかりである。

當山日出夫(とうやまひでお)

アルベール・ポワロ氏の講演会2010-10-23

2010-10-23 當山日出夫

JADS(アート・ドキュメンテーション学会)の行事である。HPから転載しておく。参加費無料、事前申し込み不要、多数の方の来場を期待したい。

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講師:アルベール・ポワロ氏(ストラスブール国立・大学図書館長)

演題:フランス図書館のコレクション:文化遺産と合理性(通訳付き)

主催:

日仏図書館情報学会
文部科学省グローバルCOEプログラム「日本文化デジタル・ヒューマニティーズ拠点」(立命館大学) / 立命館大学アート・リサーチセンター、
アート・ドキュメンテーション学会関西地区部会

日時:2010年11月6日(土)
14:00~16:00(受付 13:30~)
17:00~19:00(懇親会 会費 約5,000円)

会場:立命館大学アート・リサーチセンター 多目的ルーム
〒603-8577 京都市北区等持院北町56-1
アクセス:http://www.arc.ritsumei.ac.jp/aboutus_access.html

お問い合わせ:人文社会リサーチオフィス内アート・リサーチセンター事務局
E-mail:arc-jimu@arc.ritsumei.ac.jp
Tel:075-465-8476

入場無料・事前申し込み不要

開催趣旨:

本講演会は、日仏図書館情報学会40周年記念シンポジウム(東京)での基調講演に続くアルベール・ポワロ氏の2回目の講演会です。同氏の来日は、本学会の推薦により、財団法人日仏会館の日仏学者交換事業の一環として実現いたしました。

講師のポワロ氏は、プロフィールに窺われるようにフランス図書館の全体像をもっともよく把握している専門家の一人であり、図書館コレクションだけでなく、フランスの文化遺産全般についても深い知見をお持ちです。
今回はフランス図書館のコレクションに焦点を当てながら、フランスにおける文化遺産に対する理念について、氏の経験を交えながら具体的にお話ししていただく予定です。

この10年をとってみても、フランスの文化遺産とその情報化についての講演会は、わが国では数えるほどしか開催されておりません。このような意味においても、図書館ならびに博物館・美術館に関係される多くの皆様のご参加をお待ちいたします。

Albert POIROT氏プロフィール:
1952年生まれ。Ecole des Chartes(国立古文書学校)卒。 オート=ソーヌ県貸出中央図書館長、ディジョン市立図書館長、文化・コミニケーション省図書・読書局長付き、図書館総監督官を経て、2006年より現職(Administrateur de la Bibliothèqunationale et universitaire de Strasbourg)。専門は、図書館情報学、文化財学

なお、40周年記念シンポジウム(東京)を含む行事詳細は、下記学会(日仏図書館情報学会)ホームページを参照してください。

日仏図書館情報学会
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-9-25 日仏会館内
http://wwwsoc.nii.ac.jp/sfjbd/

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當山日出夫(とうやまひでお)

JADS秋季研究会2010-10-25

2010-10-25 當山日出夫

JADS(アート・ドキュメンテーション学会)の秋季研究発表会の案内を転記しておきます。

http://www.jads.org/news/2010/20101114_2.html

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■第3回 JADS 秋季研究発表会 開催のご案内
2008年度より、アート・ドキュメンテーションに関わる研究発表の場として
秋季研究発表会を新設しました。本年度も引き続き第3回を開催いたします。
奮ってご参加下さい。

■主催:アート・ドキュメンテーション学会
 共催:同志社大学文化情報学部

■開催日時
2010年11月14日(日)10:00-17:00

■会場
同志社大学 寒梅館 KMB203
※地下鉄 烏丸線 今出川駅 2番出口
今出川キャンパスではなく、室町キャンパスですのでご注意ください。
アクセスマップ http://www.doshisha.ac.jp/access/ima_access.html

■参加費
1000円(資料代。懇親会費別途)

■定員
80名
*定員になり次第締め切らせていただきます。

■参加申し込み方法
応募フォームよりお申し込みのうえ、受付完了メールを印刷して当日受付にてご提示ください。
参加申し込みは以下のフォームよりお願いします。
http://www.jads.org/FS-APL/FS-Form/form.cgi?Code=2010fall

■ プログラム/研究発表要旨

9:30-10:00 受付

10:00-10:10 開会の挨拶

10:10-12:00 第I部 ※以下,いずれも発表時間15分、質疑応答5分

【発表1】岡野 裕行(法政大学キャリアデザイン学部キャリアデザイン学科兼任講師)
「特定専門分野における資料収集理念の形成:文学館や図書館における文学資料の収集状況を中心に」

【発表2】研谷紀夫(東京大学大学院情報学環)
「写真アーカイブより華族社会における人脈ネットワークを分析する試みとそのドキュメンテーション」

【発表3】田良島 哲(東京国立博物館)
「明治前期博物館における洋書の収集」

【発表4】家村祐香(同志社大学大学院文化情報学研究科博士後期課程)
「美術史研究者の認識構造を反映した作品データベースの構築―山口素絢筆「百美人図」を基に―」

12:00-13:15 昼休み

13:15-14:45 第II部

【発表5】岩田好美(同志社大学大学院文化情報学研究科博士前期課程)
「謡曲の詞章からみる、能作者の特徴-数理的分析を通して-」

【発表6】辻元健士(同志社大学大学院文化情報学研究科博士前期課程)
「視線と印象の関連性 ―絵画鑑賞時の視線計測を基に―」

【発表7】土山玄(同志社大学大学院文化情報学研究科博士前期課程)
「『源氏物語』の色について-各巻の内容と色彩語の頻度との関係-」

14:45-15:00 休憩

15:00-16:30 第III部

【発表8】東昇(京都府立大学文学部)
「対馬宗家の文書管理と収納別検索 -文書管理史研究とデータベース-」

【発表9】橋本禎郎・深瀬宰(日本写真印刷株式会社)
「文化財デジタル撮影の有効性について」

【発表10】水谷 長志(東京国立近代美術館)
「ARLIS at 40-美術図書館協会(ARLIS)の活動の足跡とその出版物」

16:30-16:45 閉会の挨拶

17:00-17:30 懇親会受付

17:30-19:00 懇親会 同志社大学 寒梅館1F 
Hamac de Paradis(アマーク・ド・パラディ)
http://balnibarbi.com/shop/hpk/

参加費:5000円程度

■問い合わせ
アート・ドキュメンテーション学会 行事・企画委員会までメールにて
MAIL:jadsevent■gmail.com

当日までの問い合わせ先(会場について):
同志社大学文化情報学部阪田研究室
0774-65-7703

JADS(アート・ドキュメンテーション学会)
http://www.jads.org

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當山日出夫(とうやまひでお)

JADSでUSTREAM可能かな2010-10-26

2010-10-26 當山日出夫

さて、どうなるかわからないのであるが……まあ、書いてもいいだろうと思って書く。今度のJADS(アート・ドキュメンテーション学会、11月14日、同志社大学)において、USTREAMをためそうか、どうしようか、というところ。

いまの時代、何かイベントがあって、それを、USTREAMで中継というのは、ごく当たり前のことになってきている。特に、日常的にTwitterを使っているとそう感じる。

私が、Twitterを使い始めて一年以上になる。書いたメッセージの総数は、現時点で、約1万弱ほど。Twitterの普及と、USTREAMの普及と、時をおなじくして経験している。強いて、いえば、USTREAM中継が増えてきたせいで、Twitter中継が、減ってきているかなとは感じるところである。しかし、USTREAM+Twitterというのは、ごく普通に日常生活の中にとけこんできている。

ところで、JADS。問題がないわけではない。この学会、博物館・美術館の関係の発表が多い。となると、その発表の中で、パワーポイントでうつされる映像における、権利関係が問題にならないともかぎらない。

USTREAMは、公衆送信に該当するだろう。この観点から、問題がなければいいのである。しかし、場合によっては、どうなるかわからない。これは、個々の発表者の判断、発表内容による。

時代の大きな流れとして、USTREAM+Twitterというのが、当然のようになってきているなかで、よりその可能性をひろげる方向で考えていきたいと思っている。

當山日出夫(とうやまひでお)

『ARG』449の感想2010-10-26

2010-10-26 當山日出夫

『ARG』の449号についてついてちょっとだけ。まず、読んでみる価値があるのは、巻頭の、

「第9回ARGカフェ&ARGフェスト@京都参加報告」
三津石智巳(筑波大学、ARGインターン)

である。あいにくと、この日は、ひとつ用事があって、後半しか出られなかったので、前半のARGカフェを聞き損ねている。そこに、このような形でも、簡単に、ARGカフェの話しの概要がつたわると、とてもありがたい。

その後のARGフェストの方で、話しをした人も何人かいる。その人が、いったいどんな話しを、ライトニングトークで話したのか、今になって知る……まあ、これも、また、時間差があるとはいえ、参考になる。ARGカフェを介しての、今後のつきあいを考えると、これは、貴重な記録である。

それから、最後の方に、Twitter中継のこころがけを、三津石さんが、まとめてくれているので、ここに引用させていただくことにする。

・発言者名を必ず入れる
・数字などのデータを優先する
・誤変換するよりは、カタカナで読みを入力する
・あわてて投稿せずにしっかり聞く
・140字で意味が通る文章にするように意識する
・聞き逃したところには、聞き逃したことのマークとして「***」を挿入す る
・情報の列挙は、順序つきの箇条書きで構造化する

USTREAMや、Twitterが身近になればなるほど、このような基本的なことが忘れられがちなものである。ここに書いてあることは非常に参考になる。今後、Twitter中継するようなことがあったら、是非、こころがけようと思っている。

おくればせながら、ARGカフェ&フェストで、お会いしたみなさん、どうもありがとうございました。

當山日出夫(とうやまひでお)

仕事を整理しないといけないかな2010-10-28

2010-10-28 當山日出夫

そろそろ、仕事の整理をしないといけないかな、と感じはじめている。

学校で教えに出る時間、自分の家にいても、その準備などにつかう時間、そして、それがすんだあとで、自分の研究、さらに、趣味的な時間が……となる。これが、かなり厳しくなってきている。簡単にいえば、純粋に、自分だけで好きな本を読んだりという時間がなかなかとれなくなってきている。

来年度、そして、その次の年度からは、子供たちも、そろそろ就学の節目をむかえる。そろそろ、しおどきかな、と思う。

ともあれ、自分で趣味的に自由につかえる時間が確保できないことには、他のことにも、余力が出ない。ただ、がむしゃらに働くだけの時期は、終わったなと、このごろ、つくづく感じるようになってきている。

さて、来年度の仕事、どのように計画をたてようか。考えなければならない時期である。

當山日出夫(とうやまひでお)

『戦中派不戦日記』2010-10-29

2010-10-29 當山日出夫

山田風太郎.『戦中派不戦日記』(角川文庫).角川書店.2010

角川文庫で出たので、買ってしまった。いま、家の中の手のとどくところには、講談社文庫版で、2冊もっている。古いのと、新しいの。書庫の中をさがすと、さらに古い版もあるはずである。

この本、最初に読んだのはいつのころだったろうか。学生のころかかと思う。その当時読んで、思ったこと……戦時中、なんと、本を読んでいることか、と。この思いは、今も変わらない。いや、今の自分が、どれだけ本を読んでいないか、逆に痛切に感じるのである。

戦時下の極限状況とはいえ、いや、だからこそ、本を読むということに、エネルギーをついやすことができたのだろう。今の、インターネットの発達した時代、電子書籍がどうのこうのという時代を語る前に、ひとはなぜ本を読むのか、再度、考え直してみたいものである。

ところで、この本。底本として、講談社文庫版を使用したとある。で、本やタウンを調べてみると、講談社文庫版は、今もあるらしい。絶版になっているから、新しく出したというわけではないようである。

ともあれ、この本、特に、若い人に読んでもらいたい。

當山日出夫(とうやまひでお)