日本語学会の漢字シンポジウム2008-05-18

2008/05/18 當山日出夫

ともあれ、昨日(17日)の、日本語学会の漢字のシンポジウムは、どうにか無事に(?)終わった。強いていえば、ひとつ予想外・想定外の質問があったこと、また、シンポジウムのテーマである、漢字文化と日本語の未来、という趣旨からは、いくぶん、それた方向になったこと、であろうか。だが、このことは、ある意味、やむをえない。

漢字文化は、それを日本語の「表記」の問題としてあつかうにせよ、「書記」としてとらえるにせよ、将来を考えるならば、情報機器を抜きにしては考えられない。ワープロや、インターネットで、どのような、日本語が使われるか、そして、どのような日本語の表記・書記が、なされていくのか、これを、基盤にして、より安定性のあるものを、考える必要がある。

現時点(共時的に)、相互に、円滑な文字によるコミュニケーションがとれるかどうか。

また、将来において(通時的に)、今の電子化ドキュメントを、どう残せるか。アーカイブからの視点である。

シンポジウム全体としては、上記のような論点にまで踏み込めなかったのは、やむをえないとしても……あるいは、ここまで考えることができていないというのは、日本語学の限界であるのかもしれない。

人文学としての漢字・日本語研究と、情報工学としての言語処理・情報通信技術、この相互のあゆみよりが、なによりも大事である。しかし、これは、かなり困難でもある。

とりあえず、昨日のシンポジウムの感想。

まだ、東京、お茶の水。今日は、研究発表会。

當山日出夫(とうやまひでお)

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