「サウジアラビア千夜一夜 〜サヘル・ローズ メッカへの旅〜」2024-01-11

2024年1月11日 當山日出夫

サウジアラビア千夜一夜 〜サヘル・ローズ メッカへの旅〜

これも一つの番組の作り方だとは思う。現在のサウジアラビアという国、またイスラムというものを、きわめて肯定的に描いている。

普通に暮らしているイスラムの人びとは、それぞれに穏健な生活を送っている。その宗教的的価値観、生活習慣について、近代という視点からは、批判的に見ることも可能ではある。だが、そのなかで暮らしているかぎりにおいて、それで幸福ならばそれでいいと感じる。

思い出すのが、BSで見たフランス制作のドキュメンタリー。

やまもも書斎記 二〇二三年一二月二六日
BS世界のドキュメンタリー「民主化なき近代化 サウジアラビア 核心への旅」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2023/12/26/9645733

サウジアラビアという国が、王家の独裁国家であり、民主的な制度の国ではないことは確認しておく必要があるだろう。独裁を守るためには、ありとあらゆることをやっている。また、伝統的なイスラムの価値観のなかで、特に女性の生き方に制限があることも確かである。

だが、NHKとしては、そのような側面は触れない。女性も社会進出をしている、ということをかなり強調していた作り方になっていた。

サウジアラビアに観光ビザで入国できるようになったこと。そして、メッカのカアバ神殿の撮影が出来て、それが日本で放送できること。これは、確かに大きな変化であると言っていいだろう。

いろいろ問題点を指摘することも可能ではあるが、それよりも、世界のなかにイスラムの人びとがいて、国家があるということ。そこには、いわゆる近代化の波がおしよせていること。伝統的なイスラムの人びとの生活にも、変化が起こっていること。このようなことを、地道に伝えていくということには意義があると考える。

そして、この番組は、サヘル・ローズの巡礼の旅でもある。これはこれとして、きわめて興味深いものになっていた。

どうでもいいことかもしれないが、最後の方に出てきていた、壁に石を投げる場面。人びとの足下を見ると、ペットボトルのゴミが散乱していた。聖域だからゴミ箱は設置できないということなのだろうか。たぶん、係の人がいて、清掃しているにはちがいないが。

2024年1月8日記

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