インタビューここから「歴史学者 磯田道史」 ― 2024-05-07
2024年5月7日 當山日出夫
インタビュー ここから 歴史学者 磯田道史
土曜日にBSで『オードリー』を見てから、NHK総合にチャンネルをかえたら、この番組をやっていたので、見てしまった。
磯田道史は、NHKの「英雄たちの選択」で馴染みである。NHKの歴史番組のなかでは、これは面白い企画が多いと思って見ている。そんなに歴史学的に深く追求する番組ではないのだが(まあ、テレビの番組ということもあるが)、磯田道史の雑談というべきところで、時々、とても面白いひとことを言う。
日文研にいるからこそ、今のような仕事が出来ているのだろうとは思うところがある。
やはり歴史学者としては、ちょっと変わった感覚の持ち主なのかもしれない。少なくとも、史料一辺倒の実証主義的な歴史学研究者という雰囲気ではない。歴史というもの、あるいは、人間というものを、ダイナミックな視点から見るところがある。あるいは、歴史というもの、人間というものへの洞察といっていいかもしれない。これが、いいところなのだろう。(あるいは、こういうところが好かないという人もいるに違いないが。)
歴史は繰り返さない。しかし、韻を踏むという。これは、そのとおりだと私も思う。
自分の好きなことをやる楽しみこそ重要である、と言っていた。学校の勉強は、ルーティンであって、それ以外の楽しみが大事である。まさに、言うとおりだと、ここは、私も深く同意するところである。
ルーティンとして学校の勉強にひいでた人間が、いわゆる難関大学に合格する時代である。これからの将来、多様性にあふれ、自由な発想をとうとぶ人材が求められる。これを、江戸時代に求めているのも、確かにそのとおりかと思う。武士や上層の町民、農民たちの、文芸、学術への多様な興味関心が、その後の明治以降の準備になったということは、現在では多くの人の認めるところであろう。
この番組のなかでは言及がなかったが、磯田道史は司馬遼太郎を評価することでも、おそらくは歴史学のなかで特異な存在といえるだろう。
私は、慶應の文学部の国文で学んだが、もし国史で学ぶという道を選んでいたら、このような後輩(塾員)のことをどう思うことになっただろうかとも、ちょっと考えてみる。実質的には、経済学部の速水融の門下生ということになる。私ぐらいの世代の塾員なら、速水融のことは知っているかと思う。
2024年5月4日記
インタビュー ここから 歴史学者 磯田道史
土曜日にBSで『オードリー』を見てから、NHK総合にチャンネルをかえたら、この番組をやっていたので、見てしまった。
磯田道史は、NHKの「英雄たちの選択」で馴染みである。NHKの歴史番組のなかでは、これは面白い企画が多いと思って見ている。そんなに歴史学的に深く追求する番組ではないのだが(まあ、テレビの番組ということもあるが)、磯田道史の雑談というべきところで、時々、とても面白いひとことを言う。
日文研にいるからこそ、今のような仕事が出来ているのだろうとは思うところがある。
やはり歴史学者としては、ちょっと変わった感覚の持ち主なのかもしれない。少なくとも、史料一辺倒の実証主義的な歴史学研究者という雰囲気ではない。歴史というもの、あるいは、人間というものを、ダイナミックな視点から見るところがある。あるいは、歴史というもの、人間というものへの洞察といっていいかもしれない。これが、いいところなのだろう。(あるいは、こういうところが好かないという人もいるに違いないが。)
歴史は繰り返さない。しかし、韻を踏むという。これは、そのとおりだと私も思う。
自分の好きなことをやる楽しみこそ重要である、と言っていた。学校の勉強は、ルーティンであって、それ以外の楽しみが大事である。まさに、言うとおりだと、ここは、私も深く同意するところである。
ルーティンとして学校の勉強にひいでた人間が、いわゆる難関大学に合格する時代である。これからの将来、多様性にあふれ、自由な発想をとうとぶ人材が求められる。これを、江戸時代に求めているのも、確かにそのとおりかと思う。武士や上層の町民、農民たちの、文芸、学術への多様な興味関心が、その後の明治以降の準備になったということは、現在では多くの人の認めるところであろう。
この番組のなかでは言及がなかったが、磯田道史は司馬遼太郎を評価することでも、おそらくは歴史学のなかで特異な存在といえるだろう。
私は、慶應の文学部の国文で学んだが、もし国史で学ぶという道を選んでいたら、このような後輩(塾員)のことをどう思うことになっただろうかとも、ちょっと考えてみる。実質的には、経済学部の速水融の門下生ということになる。私ぐらいの世代の塾員なら、速水融のことは知っているかと思う。
2024年5月4日記
未来予測反省会「石油は30年でなくなる!?」 ― 2024-05-07
2024年5月7日 當山日出夫
未来予測反省会「石油は30年でなくなる!?」
三月に放送があって録画しておいたものだが、先日、再放送があったので、見てみることにした。
そういえば、私の若いころには、石油資源は近い将来に枯渇すると言われていたのを思い出す。
石油ショックがあったのは、私が中学生のころだったろうか。このときは、石油の枯渇ということではなく、中東などの産油国の国際社会における発言権が増したということが、主な要因であったということになるのだが。これ以来、原油価格は高騰することになる。石油を始めとする資源が、国家間の競争材料として使われることになる。
石油の枯渇を予想するモデルは、興味深い。確かにアメリカにおける石油の生産量については、ある意味であたっていたことになる。しかし、シェールオイルの利用が可能になったことによって、今ではアメリカが世界最大の産油国になった。シェールオイルのことが話題になり始めたころ、たしか、その原価が話題になったかと憶えている。シェールオイルは、採掘するのにコストがかかる。国際的な原油か価格がある一定以上でないと採算がとれない。このあたりをにらんで、現在では、中東などの産油国は、生産量を調整することになったということもあるのだろう。
未来予測は何故はずれたかを考えることは、意味のあることかもしれない。
現在の重要な未来予測は、地球温暖化である。これは、はずれることはない……かもしれない。少なくとも今のまま、化石燃料を使ってCO2を排出し続けていくならば、たぶんそうなるだろう。
だが、これも、これからの世界情勢の劇的な変化で、どうなるかわからないかもしれない。そんなふうになったら、おそらく日本という国はほろんでいるかもしれないが。
2024年5月6日記
未来予測反省会「石油は30年でなくなる!?」
三月に放送があって録画しておいたものだが、先日、再放送があったので、見てみることにした。
そういえば、私の若いころには、石油資源は近い将来に枯渇すると言われていたのを思い出す。
石油ショックがあったのは、私が中学生のころだったろうか。このときは、石油の枯渇ということではなく、中東などの産油国の国際社会における発言権が増したということが、主な要因であったということになるのだが。これ以来、原油価格は高騰することになる。石油を始めとする資源が、国家間の競争材料として使われることになる。
石油の枯渇を予想するモデルは、興味深い。確かにアメリカにおける石油の生産量については、ある意味であたっていたことになる。しかし、シェールオイルの利用が可能になったことによって、今ではアメリカが世界最大の産油国になった。シェールオイルのことが話題になり始めたころ、たしか、その原価が話題になったかと憶えている。シェールオイルは、採掘するのにコストがかかる。国際的な原油か価格がある一定以上でないと採算がとれない。このあたりをにらんで、現在では、中東などの産油国は、生産量を調整することになったということもあるのだろう。
未来予測は何故はずれたかを考えることは、意味のあることかもしれない。
現在の重要な未来予測は、地球温暖化である。これは、はずれることはない……かもしれない。少なくとも今のまま、化石燃料を使ってCO2を排出し続けていくならば、たぶんそうなるだろう。
だが、これも、これからの世界情勢の劇的な変化で、どうなるかわからないかもしれない。そんなふうになったら、おそらく日本という国はほろんでいるかもしれないが。
2024年5月6日記
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