オンライン授業あれこれ(その五)2020-05-23

2020-05-23 當山日出夫(とうやまひでお)

続きである。
やまもも書斎記 2020年5月16日
オンライン授業あれこれ(その四)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/05/16/9247182

前期の間、オンライン授業ということになっている。これまでのことで思うことなど書いておく。京都などの緊急事態宣言は解除されたが、しかし、大学の通常の授業再開は、まだまだ先のことになるだろう。

第一には、やはり学生の興味関心、意欲といったものである。

最初に私の担当の科目(日本語史)をオンラインですすめるとの通知を出したのが、四月一六日のことである。履修登録が確定するのを待って、学生に、大学のLMS(Learning Management System)「学生ポータル」で通知した。

しかし、これを今にいたるまで見ていない学生が、一割以上もいる。大学からは、学生ポータルを見るようにと通知があったはずなのだが、それでも見ていない。これは、私にはどうしようもない。

そういえばであるば、これまでも、毎回の授業の教材プリントは、授業が終わったあとで、PDFにして、この学生ポータルにアップロードしてきた。しかし、これも、学生ポータルにおいてあります、と言っても、分かってくれない学生がいたりした。どうも、学生には、あまり認知されていないシステムなのかもしれない。

どのような形式でオンライン授業を行うかは、まず、これを見てくれないことにははじまらない。

また、リアルタイムの双方向通信(ZOOMやWebexなど)の方が、あるいは、学生の興味関心をひいたかもしれないとは思うところがないではない。しかし、私が、最初に方針を示した時点では、大学としては、ZOOMの導入の予定はなかった。その後、Webexの採用ということになった。また、学生への教材配布やレポート提出のシステムとして、C-Learning というのがあるのだが、これも、その時点では、簡単な選択肢のテストをするぐらいしか機能がそなわっていなかった。これも、その後、拡充されて、レポートや添付ファイルの送信ということができるようになった。

私が、オンライン授業の方針をどのようにするかを決めた時点(四月一六日)では、LMSによる教材配信と、電子メールによるレポート提出というのが、もっとも現実的であった選択だと、今になっても思う。

やはり、LMSによる、オンデマンドでの教材配布と、レポート提出というのは、PCなどの機材、インターネットへの通信環境という点での負担は、最も少なくてすむかもしれないが、学生の興味関心、意欲の持続という面からすると、逆にハードルの高いものであったかとも思う。

だが、これも、本当にやる気のある学生が取り組んでくれるということなら、本来の姿であるといえるのかもしれない。ただ、漫然と、大学に出てきて、時間割どおりに教室に座っている、というだけの学生生活から、一歩先んじて、自分で学ぶ意欲のある学生でないとついてこれない。これはこれで、意味のあることかもしれない。

第二には、レポートの送信である。

第一回のレポートの課題を出した。締切は二週間後としておいたのだが、早々と提出する学生がいる。しかし、これも見ていると、ルールを守っていない学生がいる。提出の絶対条件として、レポートの送信は、大学のシステムのメールをつかうようにと指示してある。プロバイダメールや、Gmailなどからのものは、受理しないとしてある。

だが、それにもかかわらず、指定した大学のシステム以外のメールで送ってくる学生がいる。私の提示したレポートの課題について、きちんと読んでいないのだろうか。あるいは、どのメールのシステムから送信しても、そんなことは、どうでもいいと思っているのだろうか。

学生の課題レポートの送信である。これは、大学のシステムのメールを使うのが、常識であると私は思っている。もし、学生が卒業して就職すれば、その就職先の企業のメールアカウントを使うことが必須になるだろう。すくなくとも、仕事のメールはそうであるにちがいない。これとは別に、個人のプライベートなメールアカウントを持っていることは、自由であるが、仕事には使うべきではないだろう。

このようなこと、学生のときに、きちんと習慣づけておく必用があると思って、大学のメールシステムからの送信を必須としている。そうでないものについては、再提出をもとめることにしている。

以上の二点が、今のところで思っていることなどである。

レポートの課題をしめしたメッセージをまだ読んでいない学生も、かなりいる。これは、私としては、もうどうしようもない。来週には、第一回のレポートの締切ということになる。いったいどれほどの学生が、きちんと提出してくれるかと思っている。

2020年5月22日記

追記 2020-05-30
この続きは、
やまもも書斎記 2020年5月30日
オンライン授業あれこれ(その六)
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/05/30/9252140

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