辞書の〓 ― 2008-02-15
2008/02/15 當山日出夫
〓(ゲタ)の正体もそろそろ判明したようだ。
http://d.hatena.ne.jp/moroshigeki/20080214/1202993114
興味深いのは、辞書をひくとのっていること。手元において、つかっている、岩波国語(第6版)では、「げた」の項目に、「〓」の字(あるいは、記号)が、明記して説明してある。(『広辞苑』の新しいのは、まだ買っていない。というよりも、買う予定がない。)
この「〓」、もちろん、『JIS漢字字典』にものっている。
では、これは「文字」であろうか……となると、微妙な気がする。しかし、単なる「記号」かというと、これにも、やや抵抗を感じる。ひょっとすると、これは、活版での校正を経験したことのある人間に特有の感覚かもしれない。そうではない、今の若い人たちには、単なる「記号」だろう。
活版の校正段階において、「〓」は、そこに本来あるべき「文字」の仮の姿。したがって、なんらかの、「文字的性格」とでもいうべきものをふくんでいる。
「〓」は、活版印刷のなかでたまたま存在したにすぎない。手書き文字の世界には存在し得ない。今後、コンピュータ文字のなかで、どのような用法で使われていくのか、観察していきたい対象である。
ところで、最近、気のついたこと。
宮部みゆきの『模倣犯』の文庫(新潮文庫)と、ドストエフスキー『カラマーゾフの兄弟』(光文社文庫)を、横に積んでならべると、ほぼ同じ高さになる。どちらを読むべきかという問題ではないけれど。
當山日出夫(とうやまひでお)
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