NHK『怪談牡丹燈籠』巻の参「因縁」2019-10-24

2019-10-24 當山日出夫(とうやまひでお)

NHK プレミアムドラマ 令和元年版 怪談牡丹燈籠 Beauty&Fear
https://www4.nhk.or.jp/P5858/

続きである。
やまもも書斎記 2019年10月17日
NHK『怪談牡丹燈籠』巻の弐「殺意」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/10/17/9165794

いよいよ事件がおこる。

お露の幽霊は、新三郎にとりついて、ころしてしまう。幽霊が、これで本当に死んでしまう。成仏したか、地獄におちたか、不明ではあるが。が、このあたりの幽霊の映像描写は、まさに現代のテレビの映像技術をつかったものであった。

そして、お国と源次郎たちのたくらみは、孝助にあばかれてしまう。が、ここで、齟齬が生じる。孝助は、忠義のために、間男(源次郎)を殺すつもりが、誤って主人の平左衛門を刺すことになってしまう。だが、これも、因縁である。このドラマのはじまりは、若いときの平左衛門が孝助の父を斬り殺すところからはじまっていた。ある意味で、孝助は、親の敵をとったかたちになっている。

その孝助が、逐電したお国たちをおいかけるところで、この回は終わっていた。

ところで、この回を見て思ったことだが……幽霊の怖さを映像で表現するのに、派手なアクションや特殊メイクなどは、かえってなかった方がよかったのではないだろうか。ただ、カランコロンという下駄の音とともに現れる、燈籠を持った侍女をしたがえて登場する、そのお露の姿だけで、十分であったような気がする。その幽霊が、美しければ美しいほど、その怖さが比例する。そして、お露(上白石萌音)は美しい。

さて、いよいよ次回が最終回である。お国たちはどうなるのか。また、金の仏像を持って逃げた伴蔵とお峰はどうなるのか。因果応報の物語のゆきつくところを、楽しみに見ることにしよう。

追記 2019-10-31
この続きは、
やまもも書斎記 2019年10月31日
NHK『怪談牡丹燈籠』巻の四「復讐」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/10/31/9171127

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