『麒麟がくる』あれこれ「伊平次を探せ」2020-02-18

2020-02-18 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第五回「伊平次を探せ」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/5.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年2月11日
『麒麟がくる』あれこれ「尾張潜入指令」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/11/9212461

この回の見せ場は、光秀と松永久秀とのシーンだろう。

鉄砲という新しい武器をめぐって、両者の意見がかわされる。光秀は、とにかく戦で役にたつものがほしい。強力な武器があればと考えている。そして、光秀は、どちらかといえば、(いまでいう)厭戦主義のようでもある。

一方、松永久秀もまた鉄砲に興味を示す。だが、その関心のありかたは、光秀とは違っている。鉄砲という強力な武器があれば、それは、(いまでいう)戦争の抑止力になる、と考えている。このような戦争観が、はたして戦国の時代にあり得たのか、これは疑問であるかもしれないが、しかし、戦国時代の京の実力者である松永久秀ならではの考え方であるとも理解できようか。

また、鉄砲鍛冶の伊平次は言っていた……鉄砲を二〇〇用意すれば、それに対して、敵対する側は、それを上回る数を要求してくる……これもいまでいう、戦争における勢力均衡と軍備拡張の論理である。

時は戦国時代、場所は京である。足利義輝将軍も登場していた。下剋上の時代である。若き日の光秀は、この京の都の争乱から、いったい何を学ぶことになるのだろうか。

ともあれ、今の我々は知っている。その後、鉄砲という武器が、戦のあり方を大きく変えることになることを。この鉄砲に、本能寺という寺もかかわりがあるようだ。このあたり、最終的な本能寺の変にかんして、どのような伏線になっているのだろうか。今後の展開を楽しみに見ることにしよう。

2020年2月17日記

追記 2020-02-25
この続きは、
やまもも書斎記 2020年2月25日
『麒麟がくる』あれこれ「三好長慶襲撃計画」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/02/25/9217532