『舞いあがれ!』あれこれ「告白」2023-02-12

2023年2月12日 當山日出夫

『舞いあがれ!』第19週「告白」
https://www.nhk.or.jp/maiagare/movie/week19/

この週は、ネジのことも、飛行機のことも出てこなかった。描いていたのは、悠人のこと、五島の人びとのこと、貴司のことなどである。そして、舞と貴司のこともあった。

悠人はインサイダー取引で有罪となった。さて、これからどうするのだろうか。東京にもどるのか、東大阪で暮らすのか、あるいは、ひょっとして五島に行くことになるのか。

五島の人びとも出てきていた。大阪の百貨店で五島の物産展を開くことになった。ここで一太は、百貨店の女性に惚れてしまう。さて、これは今後どうなるのか。一太が大阪に出ることになるのか(五島を離れてしまうのか)、あるいは女性の方で五島に来ることになるのか。それとも、別の道を選ぶのか。

貴司のもとにファンであるという女性が訪ねてくる。貴司の短歌に理解があるようだ。淡い気持ちを読みこんだ短歌が、貴司の短歌なのだと語る。これはおそらく歌人である貴司に対する最も素直な評価というべきだろう。とにかく売れる本を作ろうとしている編集者とは違っている。

その貴司と、舞は幼なじみの友達のままでいたいという。柏木と別れた経緯があるだけに、この思いには納得できるところがある。この二人の関係は、これからどうなっていくのだろうか。

次週、舞と貴司の仲をめぐってドラマは進展するようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年2月11日記

ドキュメント72時間「福島 真冬の山小屋にて」2023-02-13

2023年2月13日 當山日出夫

ドキュメント72時間 「福島 真冬の山小屋にて」

私は登山の趣味がない。山に登りたくなる人の気持ちが分からなくはないつもりでいるが、しかし、実感としてあまり共感するところがないというのが、正直なところである。

今回は山小屋が舞台。登山として山頂を目指す以外に、山小屋それ自体を楽しみとして山に登る人もいるのかと、これはこれで興味深かった。そして、そこに集まる人のさまざまが面白い。なるほど、このような楽しみがあって山に登る人もいるのかと、新鮮な感じがした。

この山小屋も老朽化で建て替えということらしい。(だからこそ、今回の対象になったのかなとは思うが。)古くからの山小屋を残してほしいという気持ちもあるだろうが、ここは、登山客の安全のための小屋である。きちんとした設備のものに建て替える必要はあるのだろう。

2023年2月11日記

『どうする家康』あれこれ「続・瀬名奪還作戦」2023-02-14

2023年2月14日 當山日出夫

『どうする家康』第6回「続・瀬名奪還作戦」
https://www.nhk.or.jp/ieyasu/story/

この回もいろいろと印象にのこるシーンがあったが、やはり忍者になるだろうか。

服部半蔵は忍者が嫌いである。しかし、その有用性は十分に認識している。忍者で、城の攻略にかかる。これは、うまくいったようだ。城を攻め落とし、子供二人を生け捕りにする。

ここで登場していたのが、伊賀の忍者集団ということになる。なかで異色なのが、大鼠。死んだ大鼠の娘である。さて、この大鼠、ちょっと派手な印象があるのだが、まあ、ドラマとしては、これぐらい派手な登場人物が、それも忍者として出てきた方が面白い。(さすがに、影丸までは登場しないようなのだが。)

この当時の戦で、実際に忍者がどのように活躍する場面があったのか、ここは時代考証の面から難しいところかもしれない。しかし、ドラマとしては面白い展開であった。これから先、家康が窮地におちいったとき、忍者の活躍があるのかと思う。

ところで、武士の忠誠心というのも興味深いところがある。このドラマでは、今川に対する、あるいは、徳川に対する臣下の忠誠心のありようが見どころになっている。この観点からは、忠誠心ではなく、銭のために行動している忍者が対比的に描かれることになっている。

次週、一向宗のことになるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年2月13日記

梅の冬芽2023-02-15

2023年2月15日 當山日出夫

水曜日なので写真の日。今日は梅の冬芽である。

この梅の木の様子をここ数年写してきている。一月だとまだ固くて小さい。それが二月のころになると、すこしふくらんできて、そのうち花が咲くだろうという雰囲気になってくる。もう少しすると、冬芽というよりも花芽ということばがふさわしいようになる。もうちょっと先のことである。

庭を見ると、山茱萸の花も咲きそうになってきている。雪柳の芽の綠色が見える。万両の実はほとんど鳥が食べてしまっている。花の写真を撮れるようになるのに、もう少し時間がかかりそうである。

梅の冬芽


梅の冬芽

梅の冬芽

梅の冬芽

Nikon D500
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

2023年2月14日記

ブラタモリ「前橋」2023-02-16

2023年2月16日 當山日出夫

ブラタモリ 前橋

前橋には行ったことがない。いや、群馬県に行ったことがあるかどうか、記憶も定かではない。東京に住んでいたことはあるのだが、ほとんど東京都と神奈川(慶應の日吉キャンパス)にしか足を踏み入れていない。

まったくの予備知識なしで見たのだが、面白かった。昔の火山のこと、利根川のこと、お城のこと、用水のこと、それから、近代になってから養蚕業のこと、どれも地域の歴史として興味深いことばかりであった。

前橋は、徳川家康も重視したということのようなのだが、「どうする家康」ではこれから登場することになるのだろうか。これまで戦国時代ドラマでは、あまり前橋は登場してこなかったように思うのだが、どうだろうか。

ところで、前橋ということで私が知っていることは、萩原朔太郎である。その詩のなかに前橋を詠んだものがあったかと思う。萩原朔太郎は、これからも読みかえしてみたい詩人である。番組では萩原朔太郎のことについては、まったく触れることがなかったが。

2023年2月12日記

『探偵ロマンス』(四)2023-02-17

2023年2月17日 當山日出夫

このドラマも四回見てしまった。はっきり言ってよくわからなかったというのが、本当のところである。まあ「真犯人」は予想通りということになるのだろうが、いったいどんな犯罪があったのか、どんな謎があったのか、曖昧模糊としたままである。

しかし、見せ場はいくつもあった。かなり凝った脚本になっていた。ちょっと凝りすぎていて、今一つ、何が謎なのか、隔靴掻痒という感じがどうしてもあった。

が、まあ、面白かったと言っていいだろう。

ところで、四回目を見ていた気づいたが、街頭の看板に「キジマたび」とあったのは、サービスというべきなのだろう。

ともあれ、このドラマを見たら、江戸川乱歩を読みなおしてみたくなった。詠んだのは、若いときのことである。今、再び乱歩を読むとどんな感じだろうかと思う。

2023年2月13日記

カラーでよみがえる!大河ドラマ第1作「花の生涯」2023-02-18

2023年2月18日 當山日出夫

カラーでよみがえる!大河ドラマ第1作「花の生涯」

私の記憶、体験の範囲でいうと「花の生涯」は見たことはない。だが、名前は知っている。NHKが、その残っている資料から第一回の放送をカラー化したものである。

思うことはいくつかある。

第一に、画面の構図、役者の台詞などが、古風なことである。古風というとちょっと言い過ぎかなとも思うが、ちょっと今のドラマの作り方とは違う。むしろ、映画に近いだろうか。昭和三八年というと、まだまだ映画に勢いのあった時代である。テレビの制作と映画の制作と、どのような関係があったのか、これは、テレビ史、映画史、双方にまたがる研究が必要なところだろう。

見ていて、使っていないと思ったことばが、「申される」である。規範的な敬語の用法からすれば誤りということになるが、これが最近のドラマでは多くつかわれる。しかし、「花の生涯」では使っていない。

第二に、強いてカラー化すると無理があるのではということである。テレビは白黒で撮っている。この時、白黒の画面において適切な階調になるように衣装やセットなどは作ってあったのかもしれない。白黒のテレビ画面で、白いものとして白く見えるようにするためには、実際には白ではなかった可能性がある。このあたりの考証がどうなっているのか、ちょっと気になるところではあった。

時代考証として、幕末の色を再現するということなのか、実際の撮影現場で使われた衣装などの色を再現するのか、これはちょっと方向が違うことになる。

以上のようなことを思ってみるのだが、しかし、大河ドラマの第一作の第一回の放送として、非常に見応えのあるものを作っていたものであると、感心するところがかなりあった。このドラマ、NHKがかなりちからをいれて作ったことが分かる。

登場していた役者のなかでは、やはり淡島千景がいい。

2023年2月10日記

『舞いあがれ!』あれこれ「伝えたい思い」2023-02-19

2023年2月19日 當山日出夫

『舞いあがれ!』第20週「伝えたい思い」
https://www.nhk.or.jp/maiagare/movie/week20/

貴司は、歌集を出すことができるだろうか。編集者は、貴司に、今までの自分の殻を打ち破れという。本当の自分をさらけ出せという。これは、ある意味では正論ではあるだろう。歌人として、自分の心のありったけを歌にすることは求められるにちがいない。

しかし、古本屋をやりながら、好きな歌を詠んでいるという生活ではいけないのだろうか。これはこれとして、一つの人間の生き方の選択であるようにも思える。強いて、無理をすることはない。

だが、舞とのことがある。結果的には、貴司は、歌を作ることを通じて、舞に対する思いに気づくことになる。このあたりは、ドラマの展開としては、自然な流れと言っていいだろうと感じる。

ところで、このドラマ、登場する本も凝っている。机の上においてあった『黄月』は、今でも読もうと思えば読める歌集のようである。貴司が読んでいた詩「白い蝶」は、架空の作品なのだろうか。

さて、次週は舞と貴司に新たな動きがあるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年2月17日記

ドキュメント72時間「福岡・高速バスターミナル 年の瀬を走る」2023-02-20

2023年2月20日 當山日出夫

ドキュメント72時間 「福岡・高速バスターミナル 年の瀬を走る」

以前にも、バスターミナルを取材した回はあったと思うが、この回も面白かった。いろんな人がいて、いろんな人生があるのだろうと感じる。

決められた路線の上を歩むだけの人生でいいのかどうか、問いかけるところがあった。(そのように編集してあったと言うべきかもしれないが。)

佐世保からやってきた二人の若者。国鉄を辞めた男性。将来は医者や政治家になりたいと夢を語る少年たち。老いも若きも、いろんな人生があるものである。長く生きていればそれでいいというものではないかもしれないが、しかし、結果的に人生をふり返ってそれで良かったと思えれば、一番いいのかもしれない。月並みだが、そのような感想をいだく。八〇まで生きて、夫婦でバスの旅というのも、悪くないことである。

ただ、私の経験では、高速バスというのは乗ったことがない。大抵は鉄道である。子供のころ、乗り物酔いがひどかった経験があるので、バスにはいまだになんとなく抵抗がある。たぶん、今のバスはそんなことはないのだろうと思うが。

2023年2月18日記

『どうする家康』あれこれ「わしの家」2023-02-21

2023年2月21日 當山日出夫

『どうする家康』第7回「わしの家」

これまでの大河ドラマにおいて、一向一揆というものは登場してきていたとは思うのだが、この『どうする家康』のように大きく取り上げたことはなかったかもしれない。

近年の歴史学において一向宗というものがどのように取り扱われているのか、よく知らない。おそらくドラマにおいては、最近の研究成果の時代考証をふまえてつくってあるのだろうとは思う。

ただ、結果的には、家康は一向一揆を平定することにはなる。

その家康は、この回から、元康から家康に名前を変えた。一つのイエを理想としての改名ということであった。このあたり、文明としてイエ社会、というようなことを思ってしまう。

今の普通の価値観からするならば、「家」というのは近代的な個人を圧迫する封建的な遺物ということになるのかもしれないが、これも時代によっては、あるべき人間の生き方を示すものであったのだろう。

その家を理想とする考えを持つことになる家康と、一向宗……これも、ある意味では家としての共同体として、封建領主に対抗することになる……この確執が、この回の見どころであったというべきであろうか。この一向宗に対して、家康はこれからどう対応することになるのか。次回以降の展開を楽しみに見ることにしよう。

2023年2月20日記