山茱萸2023-02-01

2023年2月1日 當山日出夫

水曜日は写真の日。今日は山茱萸である。

冬の間、丸い小さいつぼみが見える。それが、春になって暖かくなりはじめるころになると、先端の部分が割れて中から黄色い花が咲く。まだ、冬の寒い時期なので、花は咲かない。この山茱萸を見ていると、一番、春の訪れを感じると言っていいだろうか。

梅の木を見ると、冬芽が、徐々に色と形が変わってきている。もうじき、花がさく少し前のところまでになりそうである。

二月の初め、年で一番寒い時期なのだが、庭の木々を見ていると、春に近づいていることを感じることができる。

山茱萸

山茱萸

山茱萸

山茱萸

Nikon D500
TAMRON SP 90mm F/2.8 Di MACRO 1:1 VC USD

2023年2月1日記

ブラタモリ「足利」2023-02-02

2023年2月2日 當山日出夫

ブラタモリ 足利

足利と言って思いうかぶのは、私の場合、足利学校ぐらいである。これは、日本の学問史、古典籍にとって重要な場所である。そういえば、学校の教科書に足利学校の写真が載っていたのを何となく覚えている。

足利尊氏は、名前は知っているし、日本史の常識的な知識は持っているつもりだが、そんなに室町時代のことについて読んだりしたということはない。『太平記』は、若い時に手にした本ではある。近年になって、新しい岩波文庫本で、全体を通読してみたりした。

足利銘仙は、知っていたような、知らなかったような、というところか。まあ、確かに近代になって、銘仙が大衆的な織物として広く普及したということは知ってはいるが。ただ、私の認識では、銘仙というと安物という印象が強いのであるが。デザインの面でも、各地の産地が工夫を凝らしていたのだろう。確かに、銘仙は、デザインが自由と言えば自由である。

いつものように興味深かったのは、足利の背後の山がどうしてできたかの説明。チャートの堆積ということは、この番組で始めて知った。それにしても、足利の地は、軍事的には要衝と言っていいのだろう。この地を押さえることが、関東を支配することにつながると言ってもいいのではないだろうか。

植物園の藤の花は、毎年、春になると写真を見ているように思う。おそらく日本で最も有名な藤の花の一つであろう。藤は、その花を愛でるのがいい。個人的には、冬に、イルミネーションで飾り立てることもないと思ってしまう。(これも人を集めるためには、必要なことなのかもしれないが。)

2023年1月29日記

『探偵ロマンス』(二)2023-02-03

2023年2月3日 當山日出夫

探偵ロマンス 第二回

先週の土曜日の放送。録画しておいて、後日にゆっくりと見た。

たしかにエンタテイメントとして作ってあるので、そんなに深く考えて見る必要はないのだろうと思うが、しかし、ちょっと話しの筋がややこしい。ちょっと凝り過ぎなのではないかと思う。とはいえ、今の時代、こんなに凝った作りのテレビドラマも珍しいと言えるかなとも思う。ある意味ではとてもNHKらしい。

いよいよ謎は深まるばかりである。ある時代の物語につきものの、ロマノフ王朝の秘宝というあたりは定番であるが、こういうのが出てくるとなんだか楽しくなる。次に出てくるのは、謎の白系ロシア人の美少女というあたりだろうかと思うが、これは期待しすぎか。

ちょっと気になることとしては、作中では、「推理小説」と言っているのだが、私の好みでは、「探偵小説」とあった方がいい。(ただ、江戸川乱歩がどのことばを使っていたかについては確認していない。)

このドラマで一番の謎なのは、いったい何が謎なのか分からないということである。単純に殺人事件があって、その犯人は誰かという作りにはなっていない。ここは、もうちょっとシンプルなストーリー展開であった方が、リラックスして楽しめるのではと思うところがある。

次回、さらに謎は深まるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年2月1日記

『地図と拳』小川哲2023-02-04

2023年2月4日 當山日出夫

地図と拳

小川哲.『地図と拳』.集英社.2022
https://www.shueisha.co.jp/books/items/contents.html?isbn=978-4-08-771801-0

直木賞受賞作ということで読んでみた。空想混じりの歴史小説といったところか。全部で六〇〇ページほどになる。読むのに三日ほどかかってしまった。

確かに傑作と言っていいだろう。直木賞になるのもなるほどという気がする。だが、私の好みから言うと、あまり想像をまじえずに、歴史をなぞるような小説の方が好きである。(まあ、このあたりは、歴史小説、時代小説とは何かという議論とも関係するのだが。)

舞台は満州……この作品では、「満洲」の表記を使っている……であり、時代的には、日露戦争の前から、太平洋戦争の後まで、ほぼ半世紀である。壮大な歴史ドラマと言っていいだろう。ただ、出てくる都市が、架空の都市である。そのせいだろう、この種の歴史小説につきものの、満州地域の地図というものがこの作品にはついていない。

登場人物もめまぐるしく変わる。誰が主人公ということもないようである。無論、時代の流れも大きく変わる。その時の世界の情勢、日本と満州をとりまく情勢を反映している。

読んで思うこととしては、次の二つぐらいを書いておきたい。

第一には、おそらくこれは、「満洲」という地域の、それを代表することになる、架空の都市の物語であるということである。そこに登場する人間たちは、「満洲」という舞台に登場するが、決して人間が主役という感じはしない。「満洲」という土地、そこは日露戦争の後、日本の権益の及ぶ地域にはなったが、同時に多くの人びと、幾多の民族の交錯する地域でもあった。この地域をめぐる、世界史的な壮大なドラマが、この小説の描いたところなのだろう。

ただ、そうはいいながら、ロシア革命のことがまったく出てこないのは、少し不満である。帝政ロシアから、急にソ連に変わっている。ロシア革命が、「満洲」に集まる人びとにどのような影響を及ぼしたのか、この観点が含まれていると、この小説は、もっと面白いものになったかと思うが、どうだろうか。

第二には、随所に出てくる歴史への言及。

端的に言えば、東アジア近代史を大きくなぞるような歴史的背景であり、その解説とともに小説は進行する。

なかで面白いと思ったのは、リットン調査団のことがある。一般の歴史の本だと、リットン調査団の報告を、日本は一蹴したということになっている。それは、そのとおりなのだが、しかし、リットン調査団と言っても、所詮は、帝国主義的な支配者の側からの調査である。名目上は、日本の満州進出を否定することになってはいるが、その実、日本が満州において手に入れた権益は、ある程度まもられる内容になっていた……つまり、可能性としては、日本はリットン調査団の報告を受け入れることもありえた……このように記してある。私は、この考え方に同意する。

日本の満州進出、満州国の建国ということは、普通は否定的にのみ見られることが多いと思う。だが、この小説では、必ずしも否定的な立場だけで描いてはいない。近代の日本が、満州に希望を託さざるをえなかった、その理由のかなり深いところまでを描いていると感じる。

無論、小説であって、歴史書ではない。その歴史の全貌をこの小説に求めるのは無理というものなのだろうが、基本的な歴史観については、かなり共感するところが多い作品であるとは言えるだろう。

ざっと以上のようなことを思ってみる。

この作品、直木賞の前に、山田風太郎賞を受賞している。これはなるほどと思う。

さて、この作家、これからどんな作品を書いてくれるだろうか。この先が楽しみである。

2023年1月26日記

『舞いあがれ!』あれこれ「親子の心」2023-02-05

2023年2月5日 當山日出夫

『舞いあがれ!』第18週「親子の心」
https://www.nhk.or.jp/maiagare/movie/week18/

この週で描いていたのは、ネジのこと、久留美のこと、悠人のこと、五島のことだった。

IWAKURAでは、航空機用のネジの制作には合格する。しかし、航空機部品メーカーになることはない。このところは、社長(母)の、会社への思いがつまった決断ということになる。会社の社長として、従業員の暮らしをあずかっている立場としては、冒険はできないということだった。さて、では、舞はこれからどのように飛行機に関わっていくことになるのだろうか。

久留美は婚約を解消することになった。父のことが原因である。ただ、これも、父親が定職についていないからといって、仕事を紹介する婚約者も問題があると思うし、また、それにのって就職しようという父親も、すこしどうかなと思う。どんな父親であれ、もっと堂々としていいように思えてならない。結果的に久留美が、婚約を解消したのは正解だったろう。

悠人は、投資の仕事がうまくいっていないようである。インサイダー取引に手を出してしまう。だが、そのような苦境にあっても、IWAKURAの会社のことは考えているようである。

五島であるが、釣りで人を集めることができたようだ。このあたりの展開は、ドラマとして簡単にことが運んでいるように思えるが、これはこれでいいのだろう。とはいえ、過疎の地方の活性化というのは、大きな問題であることは確かである。

ところで、最後のところで、舞の昔の航空学校の仲間が訪ねてきてくれていた。このあたりは、舞が、これからも飛行機への夢を失わずにいることにつながっていくのだろうと思う。

次週、悠人をめぐっていろいろあるようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年2月4日記

『どうする家康』あれこれ「瀬名奪還作戦」2023-02-07

2023年2月7日 當山日出夫

『どうする家康』第5回「瀬名奪還作戦」
https://www.nhk.or.jp/ieyasu/story/

服部半蔵という人物は、名前は知っているのだが、はたしてどんな人物で何をしたということなのか、ほとんど知らない。ただ、忍者ということだけは覚えている。

この回は、服部半蔵の活躍がメイン。まあ、活躍というのはどうだろうか。結局、瀬名を奪還することには、失敗したことになる。(たぶん、この続きは次回ということになるらしい。)

ところで、忍び、忍者は何のためにはたらくのか。このドラマでは、銭のためということで描いていた。武士としての主君への忠誠心ではない。このあたり、今後のこのドラマの展開のうえで、どのようになるのか、興味のあるところである。

「忍者屋敷」には、伊賀と甲賀と行ったことがある。かなりむかし、二〇年以上も前のことになるだろうか。それも、今では、忍者の里として、変わってしまっていることと思う。

次回以降、さらに瀬名奪還作戦は続くようである。楽しみに見ることにしよう。

2023年2月7日記

南方熊楠記念館に行ってきた2023-02-08

2023年2月8日 當山日出夫

水曜日だが、今日は、南方熊楠のこと。この前の日曜日、月曜日と、和歌山の方に一泊で行ってきた。

まず、行ってみたのが和歌山城。このお城は、戦災で焼失したものを、戦後になって復元したもの。ただし、コンクリート造りである。復元工事を行うとき、木造よりも、コンクリートの方が簡単に作れたらしい。ただし、その形は、もとのものをかなり忠実になぞってあるとのこと。天守閣の上まで登ってきた。

昼食は、和歌山に来たのだからというので、お城の近くのラーメン屋さん。

その後、白浜まで行く。南方熊靴記念館が目的である。

南方熊楠については、一通りの知識しか持っていない。英国留学、博物学者、粘菌学者であり、神社を守ることに奔走した人物であり、日本民俗学の成立にかかわっている。

その著書としては、「十二支考」は、若いときに手にした記憶がある。これも、今となっては、何が書いてあったか覚えていない。南方熊楠の博覧強記とはえらい違いである。まあ、凡人の読書である。他に読んだなかで興味深かったのは、柳田国男との往復書簡集。これは、読んでとても面白かったのを記憶している。さがせば、まだその時の本が残っているはずである。

南方熊楠記念館ができたのは、わりと最近のことである。建物は新しい。南方熊楠の遺品など、面白いコレクションが、分かりやすく展示されている。

この建物の屋上が展望台になっている。三六〇度、まわりの白浜の景色をみわたせる。絶景である。ただ、この時期なので、ちょっと寒かった。トビがとんでいた。

次に行ったのが、京都大学の水族館。歩いて行けるところにあるので、自動車は、そのままおいて歩いて行った。小さな水族館であるが、展示は面白い。徹底的に、生物学的な分類にしたがって展示してある。これが、普通の水族館だと、魚がいる地域などで分類することが多い。この水族館は、たぶん研究機関の付属施設というようなことになっているのだろう。むしろ、このバックヤードで、どのような研究が行われているのか、そちらの方が気になる。

その日は、白浜で一泊。

翌日、朝からアドベンチャーワールドに行って、パンダを見てきた。月曜日ということで、そんなに人も多くなくゆっくりとパンダが竹を食べているのを見ることができた。アドベンチャーワールドには以前にも来たことがあると覚えているのだが、その時もパンダはいただろうか、覚えていない。私がパンダを見た記憶があるのは、東京の上野動物園においてである。まだ、子供が小さい時のことである。

昼過ぎに早めに出て、白浜市内でお土産など買ったりしてして、家に帰った。二時間半ほどかかっただろうか。家に帰ったら、すっかり日が暮れていた。

2023年2月7日記

ドキュメント72時間「奄美大島 FMラジオを聴きながら」2023-02-09

2023年2月9日 當山日出夫

ドキュメント72時間 「奄美大島 FMラジオを聴きながら」

今の生活ではほとんどラジオを聞くことがない。なくなってしまったというのが、正直なところかなと思う。少し前までは、自動車のなかでラジオを聞くことがあった。それも、今では、運転もほとんどしない。ラジオを聞くこともなくなった。

若いころ、東京で一人住まいをしていたころ、ラジオだけがあった。目黒の下宿で、毎日のようにラジオを聞いていた。主に、FM東京とNHKFMだった。

FM東京の深夜番組で、「アスペクト・イン・ジャズ」をよく聞いた。翌日の朝が眠かった記憶がある。私のジャズについての感覚は、この番組によっていると今でも感じる。

さて、番組であるが、奄美大島のFM局。なるほど地方都市、あるいは、島のようなところでは、こんなFM局があるのかと興味深かった。特に、「放送」において、方言をふんだんにつかっている。これはローカル局ならではのことだろう。地元の生活、人びとに密着しているのも、このような小さな放送局だから出来ることでもある。

奄美大島については、あまり知識がない。島尾敏雄の作品の舞台になったことは知っている。それから、奄美方言ということも一応は知っている。日本の方言研究においては、重要な地域である。

番組は、奄美大島の今の姿を伝えるものになっていたと感じる。そして、奄美大島が、かつては沖縄のようにアメリカの治世下にあったことも忘れてはならないことだろう。今年は、日本に復帰して七〇年になる。

2023年2月4日記

「探偵ロマンス」(三)2023-02-10

2023年2月10日 當山日出夫

探偵ロマンス 第三回

この回の見どころは、お百だろう。

生まれてくる時代がまちがっていた、このように言うこともできよう。もっと昔、江戸時代なら逆にある意味での自由があったかもしれない。そして、現代だったならば、どうだろうか。それほど生きやすい世の中になっているとも思えない。

しかし、このドラマの「謎」はいったい何なのだろう。ちょっと脚本が凝りすぎていて、いったい何が「謎」なのかが分からない、それがこのドラマの「謎」である。極言すればこんなふうに言うこともできようか。

さて、江戸川乱歩を久しぶりに読んでみようかという気になってきた。主な作品は、いまでも文庫本で読めることは知っているのだが、何となく手を出さずに過ぎてきてしまっている。このドラマが終わったら、乱歩の作品のいくつかを読んでみようかと思う。

2023年2月9日記

「大河ドラマが生まれた日」2023-02-11

2023年2月11日 當山日出夫

テレビ70年記念ドラマ 大河ドラマが生まれた日

二月四日の放送。録画しておいて後からゆっくりと見た。このごろテレビは、録画を見ることの方が多い。これも、時代の流れだろう。今の大河ドラマ「どうする家康」も、基本は録画で見ている。

テレビ草創期の時代を描いたものとしては、数年前の「とっとテレビ」があった。これも面白かった。何事も、その草創期のドタバタした時期は、いろいろと興味深いドラマがあるものである。

ただ、私は、「花の生涯」については、ほとんど記憶がない。次の「赤穂浪士」からは、かすかに覚えている。(私は、昭和三〇年の生まれである。そのころ家にテレビがあったのだろうか、もう記憶の彼方である。)

このドラマ、やはり二つの興味から見ることになる。

第一には、大河ドラマの誕生の物語として。テレビ草創期の舞台裏の物語として。たぶん、ここのところは、NHKの内部にかなり資料が残っているのだろうと思う。少なくとも、その当時のことを覚えている人間が、まだその記憶を保っているギリギリのところかもしれない。これはこれとして、その当時のテレビの業界の話しとして面白い。

第二には、ものを作る面白さの物語として。何時の時代であっても、映画であっても、テレビであっても、何かを作っていくということは面白いものである。そして、それを楽しみにしていてくれる人がいるということは励みになる。ものを作ることの楽しさ、苦労、喜び、もろもろの気持ちが、このドラマには込められていたと感じる。

基本的に以上の二つを思って見る。

それにしても、五社協定のあった時代に、映画に対抗して大型時代劇をテレビで作るというのも、かなり冒険であったと思う。まだ、時代の雰囲気としては、映画が娯楽の主流であった時代と言っていいだろう。テレビと映画と拮抗する時代であったのだろうが、このあたり、テレビと映画の演出法、役者の演技の違いというようなところも描いてあると、さらに興味深いものになったかと思う。

ともあれドラマとしてよく出来た作品だと思う。

2023年2月8日記