ザ・バックヤード「国立スポーツ科学センター」2024-02-17

2024年2月17日 當山日出夫

ザ・バックヤード 国立スポーツ科学センター

この施設のことはまったく知らなかった。しかし、このような施設があることは、なるほどと納得できる。だが、その割にはと言っておきたいが、オリンピックでの日本のメダル数は、あまりぱっとしない……

このような施設があること自体が、ほとんど一般には知られていないということもあるのだろうが、紹介された内容のすべてが、バックヤードである。一般には入ることもできないし、中で何が行われているのかも秘密、何人のアスリートがそこにいるのかも秘密。それでも、よく取材ができたものだと思う。

内容的には、スポーツ科学の観点からは、だいたい常識的に分かることかなと思う。それに、現代のデジタル技術を活用している。モーションキャプチャも利用しているが、これは画像の解析という手法によるものだろう。モーションキャプチャの技術も随分と進歩したものである。

スキーのジャンプの風洞実験は面白かった。(よく取材できたという気もするが。)実際の競技場で練習すると、一日に一〇回ぐらいしか飛べないらしい。それを考えると、今の時代の選手は恵まれているというべきだろう。あるいは、このような施設がない時代の選手はすごかったというべきかもしれない。

レストランの食事を、画像の分析からカロリーや栄養素の計算をするシステムは、技術的にはそんなに高度なものではないかもしれない。大学の食堂などだと、メニューにその食事のカロリーとかが表示されている場合が多くある。場合によっては定食にしてしまえば簡単である。このようにすることは簡単なのだろうが、そこに選手の自由選択の余地を残して、自分で料理を選んで考えることができるようにした、というところが重要なのかと思う。

2024年2月16日記

フロンティア「東洋医学」2024-02-17

2024年2月17日 當山日出夫

フロンティア 東洋医学

アイスマンのことは知っていたのだが、(たしかイタリアをスイスの境目あたりで発見されて、その後、帰属をめぐって議論があったと憶えているが)、その体に入れ墨があり、それが鍼灸のツボに合致しているものだとは知らなかった。

お灸をすえる、ということばは日本語の中に残っている。しかし、今の日本で鍼灸というのは、どうなっているのか、私はほとんど知らない。

鍼灸だけではなく、漢方薬について、現代の医学、科学の視点から、再検討が進んでいるというのは、そういうものなのかと思う。人間の体の神経の作用とかについては、古来よりの鍼灸についての知見から学びうるものがあるということは、そうかと思う。なにより経験の蓄積がる。また、漢方薬の薬の成分の効果について、現代の科学で検証していくということは、価値のあることにちがいない。

東洋医学ということであつかわれていたが、他にイスラム世界や、世界の各地の先住民族の人びとが、どのような医療行為を行ってきたのか、検証の価値はあると思う。無論、その中には、インチキもあるだろうが、そうときめてかからずに、科学的に検証していくという姿勢は重要な意味があると考える。

2024年2月15日記