『1Q84』BOOK1(後編)村上春樹2019-03-29

2019-03-29 當山日出夫(とうやまひでお)

1Q84(2)

村上春樹.『1Q84』BOOK1(後編)(新潮文庫).新潮社.2012(新潮社.2009)
https://www.shinchosha.co.jp/book/100160/

続きである、
やまもも書斎記 2019年3月28日
『1Q84』BOOK1(前編)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/03/28/9052404

『1Q84』をひたすらテキストを追って読んでいる。「BOOK1」の後編になって、青豆と天吾の物語が、徐々にではあるが、かすかに交錯しだす。謎の宗教教団、リトル・ピープル、二つの月……など。

「1Q84」は、「1984」に由来する。「1984」は、無論、オーウェルの小説のタイトル。近未来を予言した作品として、まさに、1984年の当時、話題になったことを、私は記憶している。

この作品を読んでいきながらいろいと考えるとことはあるのだが、しかし、そのようなことを考えるよりも、思わず知らず、この小説の世界……それは、青豆のストーリーと、天吾のストーリーが、交互に出てくるわけだが、その世界の中に没入してよみふけっていることに気付く。それほど、この小説は、魅力的である。

この村上春樹の作品の魅力が、若いころの私には分からなかったと言っていいだろう。ようやく、いろいろ本を読んできたあげくにであるが、村上春樹作品の面白さに気付いたと、我ながら思うのである。たぶん、昨年読んだ『失われた時を求めて』や、ドストエフスキーの作品群、それから、今年になってから読んだ『源氏物語』『平家物語』『今昔物語集』など、これらの作品を読むということを経過した目で読んでみて、ようやく理解できる文学の面白さである。

この小説の描いているのは……この世界、そのあり方が、視点をかえると、ガラリと別のものになってしまう、文学的想像力の世界、このようにいえるだろうか。

次は、「BOOK2」になる。楽しみに読むことにしよう。

追記 2019-04-01
この続きは、
やまもも書斎記 2019年4月1日
『1Q84』BOOK2(前編)村上春樹
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2019/04/01/9054067

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