NHK『映像の世紀プレミアム』「運命の恋人たち」2019-12-05

2019-12-5 當山日出夫(とうやまひでお)

NHK『映像の世紀プレミアム』第14集「運命の恋人たち」
https://www4.nhk.or.jp/P4235/5/

録画しておいて、月曜日に見た。見ていて思ったことなど、思いつくままに書いてみる。

番組のスタートは、アメリカにおける、黒人と白人の結婚からはじまっていた。その裁判のニュースから。それまで、アメリカにおいては、これは法的に禁じられていたことだった。それが、今日では普通のことになっている。

性にかんする意識というのは、時代とともに大きく変わっていく。時代の変化が、性に対する意識を変えることになる。また、時として、時代を変えていく役割をはたす先駆的な人びとがいたりもする。

この番組の終わりが、LGBTのことでおわっていたのは、この意味で、まっとうな姿勢から作ったと考えられる。今日の社会において……まだ、一部に偏見が残っているのだろうが……性的少数者の権利は、確立しつつある、と言っていいだろう。

見ていて思ったことであるが……このような企画の場合、誰、どのようなカップルを登場させるかもあるが、あえて触れないということもあるだろう。ナチスのゲッベルスの妻のマグダは登場していたが、ヒトラーの愛人であったエヴァ・ブラウンは出てこなかった。また、英国のエドワード8世のことはでてきていたが、英国王室のかかわりでは、ダイアナ皇太子妃のことに触れることはなかった。さらに出てこなかった女性としては、アメリカのジャクリーン・ケネディがいる。中国の江青も登場していない。……などなど、登場していない人物のことの方に関心がいってしまうのは、いたしかたのないことかもしれない。

そして、日本のことが出てこなかった。もし、日本から誰かが登場するとなると誰になるだろうか。あえて日本のことに触れなかったというのも、ある意味で、この番組の制作における判断であったのだろう。

一つ思い出を書けば、グレース・ケリーの出た映画「裏窓」を映画館で見たことを思い出す。その時には、すでに死んだ後のことになるだろうか。(しかし、この番組の意図として、グレース・ケリーのことは、そう大きくあつかう必要があったのだろうかとも、見終わってから考えて思う。)

2019-12-02記