『麒麟がくる』あれこれ「道三、わが父に非ず」2020-04-28

2020-04-28 當山日出夫(とうやまひでお)

『麒麟がくる』第十五回「道三、わが父に非ず」
https://www.nhk.or.jp/kirin/story/15.html

前回は、
やまもも書斎記 2020年4月21日
『麒麟がくる』あれこれ「聖徳寺の会見」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/04/21/9237651

このドラマの主人公は、あるいは帰蝶なのではないだろうか、と思わせる展開であった。

描いていたのは美濃の国の内紛。道三は出家して、家督を子どもの高政にゆずるが、それでうまくことが収まるということでは無かった。いや一層、二人の仲は険悪なものになっていったともいえる。

また、一方で、尾張の国においては、信長が実権をにぎることになる。ここに帰蝶の策略とでもいうべきものがあったことになる。

やはり、帰蝶はただものではなかった。

それにくらべて、本来、このドラマの主人公であるはずの光秀は、どうも存在感がない。歴史の大きな事件を動かす、その表舞台に出るということがない。あくまでも、歴史の目撃者の位置にいるようだ。

ところで、このドラマをこれまで見てきて、まだ「天下」ということが出てきていないように思える。歴史の結果としては、天下統一を成し遂げるのは信長であり、その後を継ぐのが秀吉(今の段階では、まだ藤吉郎)である。このことは歴史の結果として、今日の我々は知っている。そこにいたるまで、まだ「天下」ということが、戦国武将たちの意識のなかにはなかった時代のこと、ということなのであろう。

これから、このドラマにおいて、「天下」ということが、どのような形で登場してくるのか、このあたりが気になるところである。

次回、美濃の国の内紛のゆくえをどう描くことになるのか、そして、それが光秀の生き方にどう影響を及ぼすことになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2020年4月27日記

追記 2020-05-05
この続きは、
やまもも書斎記 2020年5月5日
『麒麟がくる』あれこれ「大きな国」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/05/05/9242997

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