『カムカムエヴリバディ』あれこれ「第1週」2021-11-07

2021-11-07 當山日出夫(とうやまひでお)

『カムカムエヴリバディ』第1週
https://www.nhk.or.jp/comecome/story/details/story_details_01.html

新しい朝ドラは、各週にタイトルがつかないようだ。しかたがないので、第1週としておくことにする。番組HPを見ても確認できない。

このドラマは、ラジオの英語講座と、昭和以降の一世紀ほどの歴史をたどる家族の物語ということらしい。そのせいもあるのだろうが、時間の流れが速い。この週は、昭和の初めにヒロインの安子が生まれてから、一四歳になるまでのこと。

ラジオの英語講座というと、中学生のころに聞いた。基礎英語、続基礎英語、英会話、などである。今となっては忘れてしまっていることがほとんどであるが、私の聞いたときの基礎英語は、最初の一ヶ月ほどが、発音記号の説明だったのを覚えている。これは今になってみれば、非常に勉強になったと思う。

今の初級の英語辞書など見てみると、発音記号をつかうのではなく、仮名で発音が書いてある。これは、今の時代に合わせた工夫なのであろうが、私ぐらいの世代からすると、ちょっと物足りない気分になる。

ところで、ドラマであるが……昭和の初めの岡山の町の人びとの日常生活が、実に細やかに描かれていたと感じる。BKが、かなりちからをいれて作っている。ちょっとしたシーンでも、セットや演出がきちんとしている。安子の「たちばな」の店や家のなかはもちろんのこと、お祭りのシーンとか、駅のシーンとか。

ドラマのなかでは何も言及がなかったことだが、雉真稔の通っている学校は、大阪にある大阪商科大学だろうか。これは、今の大阪市立大学。設立には五代友厚がかかわっている。会社の次の経営者としては、商いの本場である大阪の商科大学を選んだということだと思う。岡山には、第六高等学校があったはずであるが、ここの卒業生ということでいいのだろうか。あるいは、大阪の大学の予科かもしれない。

稔が買ったおはぎ。二〇個で一円六〇銭だった。ということは、一個八銭ということになる。これが高いのか安いのか、よくわからない。が、二〇個で箱が四つ。一つの箱に五個入っていることになる。これは、ちょっと箱の方が大きいように思える。

それから、ドラマのなかで使われている英語が、実にきれいである。発音も明瞭で、日本語のなかにまじって非常に聞き取りやすい。

また、音楽に渡辺貞夫の演奏がはいっていた。これが本当にいい。(私が若いころ、ラジオのFM放送でよく聞いたものである。)

次週は、一九四一年まで話しがすすむらしい。日米開戦の前夜を描くことになるのだろうと思う。これも楽しみに見ることにしよう。

2021年11月6日記

追記 2021年11月14日
この続きは、
やまもも書斎記 2021年11月14日
『カムカムエヴリバディ』あれこれ「第2週」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2021/11/14/9440120