『ちむどんどん』あれこれ「シークワーサーの少女」2022-04-17

2022年4月16日 當山日出夫(とうやまひでお)

『ちむどんどん』第1週「シークワーサーの少女」
https://www.nhk.or.jp/chimudondon/story/week_01.html

新しい朝ドラの『ちむどんどん』を見ている。もうこれは習慣のようなものである。第一週は、BSで特別に朝の六時半から放送があったので、朝一番に見た。ただ、BSでは、土曜日のまとめ放送が無くなってしまうのが、残念である。

沖縄が舞台のドラマである。今年は、沖縄返還五〇年である。そのこともあって企画されたものかとも思う。沖縄が舞台というと、どうしても『ちゅらさん』を思ってしまう。『ちゅらさん』は、全部見たかと記憶している。岡田惠和の脚本であった。憶えていることとしては、沖縄を舞台としたドラマであったが、政治性をまったく感じさせないつくりになっていたことである。これは、ある意味できわめて政治的な作為でもある。あえて非政治的であることを意図することは、見方によってはすぐれて政治的な性格をおびる。ただ、『ちゅらさん』は、沖縄を特にそれと意識することなく描いていた。

しかしながら……第一週を見たところでは、このドラマが比較されるとすると、『ちゅらさん』よりも、『ごちそうさん』かもしれない。食べることが重要な意味を持ってくるドラマのようだ。

第一週を見て印象に残るのは、やはり沖縄の人びとの純朴な暮らしと、アメリカ統治下での生活であろうか。また、何よりも自然描写がきれいである。

さて、暢子の家族は、どのような過去があるのだろうか。借金を抱えて生活はそう楽ではないようだ。気になるのは、朝ドラでは、たいてい登場する家族のなかでの祖母あるいは祖父が登場していないことである。

また、見ていて興味深かったのは、昭和三九年のことでありながら、東京オリンピックのことに全く触れないことである。このとき、聖火は沖縄も走っている。だが、東京オリンピックにまったく触れることがないというのも、このドラマの作り方なのであろうと思う。

ドラマは、暢子の父親が倒れたところで終わっていた。次週以降、成長した暢子の登場ということになるようだ。沖縄を舞台にしてどのようなドラマが展開することになるのか、楽しみに見ることにしよう。

2022年4月16日記

追記 2022年4月24日
この続きは、
やまもも書斎記 2022年4月24日
『ちむどんどん』あれこれ「別れの沖縄そば」
https://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/04/24/9484411