美の壺スペシャル 「民藝」 ― 2026-01-04
2026年1月4日 當山日出夫
美の壺スペシャル 「民藝」
美術史という分野には素人なので、民藝ということが、現在ではどう評価されているのか、その動向は知らない。昭和のはじめごろに、柳宗悦を中心としておこった、美術の世界の一つの流れ、というぐらいの知識である。
番組の内容としては、木喰佛、柳宗悦、河井寛次郎、濱田正治、それから、バーナード・リーチ、などについての概略というところだった。この番組として作れば、こんなふうになるだろうなあと思って見ていた。
見ていて、出てこなかったことがある。それは、実用的である、安い、手に入れやすい、ということがらである。民藝については、名も無き人びとの残した日用品の美、というあつかいであったが、それはそれで正しいのだろう。しかし、そういうものを使ってきた人間の歴史として見るならば、何よりも、使いやすくで身近にあったもの、ということになるはずである。そして、安くなければならない。まあ、今でいえば、100円ショップで売っている、台所用品のようなものだろうか。
興味深かったのは、沖縄のやちむん。金城次郎が有名である。出てきていた油壺。これが、現代の建物のなかにあると、これはこれで、美術的に美しいとは感じる。しかし、ちょっと映っていただけなのだが、昔の沖縄の家庭の台所の白黒写真の中で見ると、その存在感が圧倒的に違う。現代のものの見方が、いかにも人びとの生活の感覚を取り去ってしまって、ただ目で見るだけのものにしてしまっていることが、実感される。はっきりいえば、(私の目には)貧相なものとしか見えない。民藝は、美をもとめたかもしれないが、同時に、生活から遊離してしまったともいえるだろうか。
民藝ということで作品を作った(番組に出てきて名前の残る)陶芸家たちは、その作った焼き物が、今の時代なら100円ショップで売られるようなものとして、作っていたのだろうか。強いていえば、現代の陶磁器の生産は、職人仕事があるとはいっても、基本的に工業的規格的である。現代の規格的な工業製品にも、美を見出しうるかとも思うが、それは、おそらくかつての民藝の理念からは異なるものであろう
番組で言っていなかったが、民藝については、コロニアリズムの観点から、批判的に見ることもできるかと思っている。
2025年10月7日記
美の壺スペシャル 「民藝」
美術史という分野には素人なので、民藝ということが、現在ではどう評価されているのか、その動向は知らない。昭和のはじめごろに、柳宗悦を中心としておこった、美術の世界の一つの流れ、というぐらいの知識である。
番組の内容としては、木喰佛、柳宗悦、河井寛次郎、濱田正治、それから、バーナード・リーチ、などについての概略というところだった。この番組として作れば、こんなふうになるだろうなあと思って見ていた。
見ていて、出てこなかったことがある。それは、実用的である、安い、手に入れやすい、ということがらである。民藝については、名も無き人びとの残した日用品の美、というあつかいであったが、それはそれで正しいのだろう。しかし、そういうものを使ってきた人間の歴史として見るならば、何よりも、使いやすくで身近にあったもの、ということになるはずである。そして、安くなければならない。まあ、今でいえば、100円ショップで売っている、台所用品のようなものだろうか。
興味深かったのは、沖縄のやちむん。金城次郎が有名である。出てきていた油壺。これが、現代の建物のなかにあると、これはこれで、美術的に美しいとは感じる。しかし、ちょっと映っていただけなのだが、昔の沖縄の家庭の台所の白黒写真の中で見ると、その存在感が圧倒的に違う。現代のものの見方が、いかにも人びとの生活の感覚を取り去ってしまって、ただ目で見るだけのものにしてしまっていることが、実感される。はっきりいえば、(私の目には)貧相なものとしか見えない。民藝は、美をもとめたかもしれないが、同時に、生活から遊離してしまったともいえるだろうか。
民藝ということで作品を作った(番組に出てきて名前の残る)陶芸家たちは、その作った焼き物が、今の時代なら100円ショップで売られるようなものとして、作っていたのだろうか。強いていえば、現代の陶磁器の生産は、職人仕事があるとはいっても、基本的に工業的規格的である。現代の規格的な工業製品にも、美を見出しうるかとも思うが、それは、おそらくかつての民藝の理念からは異なるものであろう
番組で言っていなかったが、民藝については、コロニアリズムの観点から、批判的に見ることもできるかと思っている。
2025年10月7日記
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