ETV特集「二重被爆 -知られざる163人の運命-」 ― 2026-08-10
2026年8月10日 當山日出夫
ETV特集「二重被爆 -知られざる163人の運命-」
広島と長崎で二重に被爆した人が少なからずいる、このことの意味を考えるという番組製作者の意図は、分かるつもりではいるのだが、見終わって、どうしても納得できないところがある。
なぜ、軍人、復員兵、という人のことを、完全に無視しているのだろうか。
二重被爆者の内訳のグラフを見ると、軍人、復員軍人のカテゴリーになっている人は多い。会わせると、一番多い造船関係者と同じぐらいである。
造船関係者とか、学生(特に医学生)、ハタ職人、こういう人たちが、二重被爆ということになったのは、理解できる(それがいいということでは決してないが)のだが、軍関係者は、どうなのだろうか。推測するになるのだが、軍関係者の幾人かは、造船関係だったかと思うが、どうなのだろうか。民間人の造船関係者であろうが、軍人兵士であろうが、原爆の被害者、二重被爆者という観点で、違いをつけなければならない必然性が、いったいどこにあるのだろうか。
広島と長崎が原爆の標的にされたのは、軍関係の都市であったからであり、その都市にいた軍人兵士は、被爆して当然と考えるならば、あまりに差別的にすぎる。
あるいは、ただでさえ軍関係者の被爆ということは、今でもタブー視されることであるので、あえて、言及を避けたということなのだろうか。
いずれにしても、もう、そのような配慮とかなしに、等しく、原爆の被害者として、その実態を語るべきではないかと思うが、どうなのだろうか。無論、その被爆者の中には、いわゆる日本人以外の、朝鮮や台湾などの外地にかかわる人びともふくめなければならない。
かつて、ピカドンといって、被爆者に対する差別があったことはたしかなのだが、そのときの意識を、形をかえてひきずっているように、私には感じられる。被爆者になる人に、なにかの資格が必要とでもいうことになるのだろうか。
それから、8月6日に広島で原爆が投下されてから、長崎に行くのに、このときの鉄道の事情はどうだったのかということも気になる。また、広島の宇品から下関までの輸送船がアメリカ軍の魚雷で沈められたとあったが、このころ瀬戸内海の制海権はどうなっていたのだろうか。
2026年8月2日記
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