芸能きわみ堂「市川團子が挑む!スーパー歌舞伎「もののけ姫」」2026-08-15

2026年8月15日 當山日出夫

芸能きわみ堂「市川團子が挑む!スーパー歌舞伎「もののけ姫」」

スーパー歌舞伎というと、「ヤマトタケル」になる。これが、梅原猛の作であるということは知っていることになる。昔、「ヤマトタケル」の公演があったとき……私は、見ていないが、というよりも、見る気もしなかったが……梅原猛も、耄碌して余計なことをはじめて、と思ったものである。高校生のころに、『水底の歌』とかは読んだ本である。だが、その後、国文学を専門的に勉強するようになって、う~ん、なんだかなあ、という気になってきた。

梅原猛が、日本の古代の文化に、新たな視点からいどもうとしていたということは、今になってみれば、日本文化論、特に古代文化論の、近代になってからの歴史の中の一コマとして、位置づけて評価することになる。最近の本では、中島岳志の『縄文』が面白い。

「ヤマトタケル」についていえば、ひょっとすると、現代だったら、日本武尊が本当に実在したと思っている人がいるかもしれない。まあ、完全に否定する根拠というのも無いのであるが、常識的な、古代史、古代文学の知識としては、虚構ということになる。しかし、最近のことになるが、皇室典範の改正をめぐって、神武天皇実在論を本気で信じているとしか思えない言説を目にするようになってきている。中には、2600年ということを、大真面目に言っている人もいる。いったい、日本はどうなってしまったのだろうと思うのだけれど。

「もののけ姫」は、正直言ってよく分からない。なんとなく、網野善彦と水木しげると白土三平などを、ごっちゃに混ぜて作ったような印象を持っているのだが、いったい何をいいたい映画なのか、宮崎駿は何を表現しようとしたのか、分からないままでいる。

だから、これが歌舞伎になるといっても、ふ~ん、そういうこともあるのか、というぐらいである。

とはいえ、歌舞伎という芸能が、常に新しいものを取り入れてチャレンジしてきたからこそ、今に残っているということは確かなことなので、こういうことはあっていいことだと思うだけである。

番組の中で、澤瀉屋に言及するなかで、市川中車について、ほとんど触れることが無かったのは、いたしかたないことかと思うが、ちょっと残念である。

それから、やっぱり、バックヤードは見ていて面白い。

2026年8月8日記

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