『舞いあがれ!』あれこれ「ばらもん凧、あがれ!」2022-10-16

2022年10月16日 當山日出夫

『舞いあがれ!』第2週「ばらもん凧、あがれ!」
https://www.nhk.or.jp/maiagare/movie/week02/

今度の朝ドラは、わりと評判がいいようだ。

いくら転地療養といっても、原因不明で発熱する小さい子供を一人残して母親が帰ってしまう、しかもそこは母の故郷とはいえ離島であり、医療も十分であるとはいえないかもしれない、このような設定は、場合によっては顰蹙ものであったかもしれないが、ここはうまく描いていたと思う。それは、たぶん、親というものを理想化していないことに起因するのかもしれない。

これまで朝ドラの母親は、かなり理想化した母親として描かれてきたところがある。それを思って見るならば、今回のドラマでは、いい母親になろうとして頑張っている一人の女性という雰囲気で描いている。このあたりが、このドラマのよさなかと思う。

ともあれ、舞の五島での滞在は功を奏したようである。熱も出なくなったし、何よりも、自分で判断して、自分の気持ちで行動できるようになった。このあたりの子供の変化を、ドラマのはじめの二週で、上手に描いてあった。

ところで、舞のことばは大阪方言である。ドラマのなかでの変化としては、祖母の祥子の呼称が「おばあちゃん」から「ばんば」に変わったことがある。それから、最後のところで、舞が自らばらもん凧を揚げたいと、一太に言う場面では、五島方言をつかっていた。このあたり、舞のことば……大阪方言と五島方言のつかいかた……が、たくみであると感じるところがある。

次週以降、東大阪に舞台は移る。また、成長した舞も登場するようだ。楽しみに見ることにしよう。

2022年10月15日記