ザ・バックヤード「国立国会図書館」2024-02-03

2024年2月3日 當山日出夫

ザ・バックヤード 国立国会図書館

国立国会図書館には、足をはこんだことは無論ある。特に関西館は、見学会などで書庫のなかを見せてもらったこともある。

番組としては、国会図書館の裏側について手際よく紹介してあったと思う。また、現在の日本における納本図書館として、基本的にすべての出版物を収蔵して後世に残す役割が強調されていた。そのための工夫が、地下の巨大な書庫にある。

博士論文が国会図書館で集められているということは、あまり一般には知られていないことかもしれない。(見ていて思ったこととしては、保存には中性紙の封筒を使うべきではないだろうか。)

私の関心としては、デジタル化の工程である。どのようにして本を撮影しているのか、その現場の様子が非常に興味深い。

現在では、国会図書館は、蔵書、資料のデジタル化と、インターネットによる配信でその存在感がある。だが、これはこれからの研究者にとっては、国会図書館のデジタル送信で読むことのできる本が膨大に増えたということで、読むべき資料が格段に増えてしまったということでもある。これは朗報にはちがいないのだが、一面で、読む労力が激増した。手元の一つの本をじっくりと読みこむという雰囲気の研究が難しくなってしまうかもしれない、という危惧を感じないではない。

あつかっていなかったことで気になるのは、古典籍のあつかいである。いわゆる和書、和本、漢籍などの類いである。これらについても国会図書館は大量に所蔵している。そして、そのデジタル化もすすんでいる。国会図書館は、著作権を厳格に守る組織なので、著作権による保護期間が満了したもの、つまり、著作権が切れたものは、公開である。これが、他の美術館とか博物館とかだと、著作権上の権利とは別に所蔵者の権利ということなのだろう、デジタル化しても、その利用に申請が筆ようだったり、場合によっては有料だったりするところもある。

それから、将来のことを思ってみるならば、資料のデジタル化がすすんで、それをOCRで読みとってテキスト化し、AIで分析、検索ということがあるだろう。その将来において、国立国会図書館はどのような役割をはたすべきか、その試みはすでにはじまっていることだろう。

2024年2月2日記

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