『ARG』358号の感想2009-01-20

2009/01/20 當山日出夫

『ARG』の358号について、いささか。

まず、「データベース新企画に関するアンケート協力のお願い」竹村雅彦さん(日外アソシエーツ)である。これを読んだうえで、ずっと見ていくと、

次の記載がどうしても目にとまる。

内田樹さんと鈴木晶さんの著作権に関する発言
http://d.hatena.ne.jp/arg/20090115/1231983297

書籍のデジタル化は、いわゆる出版ビジネスの阻害要因なのであろうか。以下、私の考え。

・速報性、という点に限っていえば、「紙」の新聞などいらない。なにも、朝一番で配達してくれる必要は無い。オンラインで十分。しかし、解説記事や、その全体としての編集、というところを見るならば、「紙」の新聞は必須。ある、できごとについて、どう編集して見せるか(そして、その安定性)、という点において、「紙」の媒体は、ネットよりすぐれている。

・通常の書籍についてはどうか。こたえは簡単である。買いたくなるような本が、買える値段で売っていれば、買う、ただそれだけである。「著作権ビジネス」の基本は、これではないのか。

・最大の問題点は、本屋さんに本が無いことである。京都の市内なら、たとえば、みすず書房の新刊ぐらいなら、わりと簡単に手にはいる。しかし、我が家の近所の書店(住宅地のなか)では、無理。みすず書房の本とはいわない、岩波文庫や、講談社学術文庫の新刊ぐらいは、ならべておいて欲しい。では、注文すればどうか。Amazonであれば、はやければ翌日にとどく。だが、一般の書店で注文すると、わすれたころにとどく。

要するに、読みたい本を、すぐ買ってよめるような体制に、現在の、日本の出版業界はなっていない。この現状を放置したままで、オンラインの「立ち読み」をめぐって議論しても無意味。

オンラインで「立ち読み」して、面白そうだと思ったら、すぐネットで注文。その1~2日後には、近所の行きつけの本屋さんにとどいている。(この場合、あくまでも、本屋さんであって、コンビニではない。書店は、いかに小さな町中の本屋さんであっても、本の専門であるべき。)

問題は、著作権ではない。書籍の、流通システムだ。

なお、2月のARGカフェ、参加、もうしこみました。本についての話し、インターネットの話し、それから、(私がいかっている)新常用漢字の話し、楽しく話しができればと思います。

當山日出夫(とうやまひでお)

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