『精神科医がものを書くとき』2009-06-02

2009/06/02 當山日出夫

中井久夫.『精神科医がものを書くとき』(ちくま学芸文庫).筑摩書房.2009

たまたま、ページをパラパラめくって目についた箇所、

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では実効を生む協力とは何か。一つは、お互いに知らない者同士では協力できないということです。協力しましょうと言っただけで真ん中が抜けていると、ここで落ちこぼれる患者さんは非常に気の毒であります。
もう一つは、電算機の父の一人と言われるノーバート・ウィーナーが言っていることですが、協力にあたっては、自分の領域についてはエキスパートであって、自分以外の領域については、ディスカッションできるだけの知識を持っていることが必要です。
(p.181)
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話題は、精神科での医療の問題である。しかし、ここで指摘されていることがらは、「フラット」なネット世界での、研究の協力のあり方について、示唆にとむ。

中井久夫の文章は、知的な気品がある。

當山日出夫(とうやまひでお)

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