『わろてんか』あれこれ「エッサッサ乙女組」2017-12-29

2017-12-29 當山日出夫(とうやまひでお)

『わろてんか』第13週「エッサッサ乙女組」
https://www.nhk.or.jp/warotenka/story/13.html

前回は、
やまもも書斎記 2017年12月24日
『わろてんか』あれこれ「お笑い大阪 春の陣」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2017/12/24/8754088

安来節が、近代になってからの大衆芸能で普及したことは知っていたが、その時代とか背景までは知らなかった。で、この週は、安来節を風鳥亭の演目にするまでのはなし。

このドラマ、ヒロイン(葵わかな)の年齢など考えると、もうこれ以上は難しいのではないかと感じさせる。せいぜい、子供が小さいときまでだろう。これ以上、子供が成長してからのことを、同じ女優でやるのはちょっと無理があるように思えてしかたない。この意味では、NHK(BK)は、この前のもうひとつ前の『べっぴんさん』の不評を、きちんと反省していないのではないか。

風鳥亭が、大阪の芸人をまとめて、寄席のチェーン店的に一定の成功をおさめるまにしておいた方がよかったのではないか。女性の一代記を描くというのが、ドラマになる時代では、もはやないと思うのだ、どうだろうか。

ところで、安来節の件。風鳥亭の席亭としての規模を考えるならば、安来節の踊り手(女性)だけではなく、歌(民謡)の方の歌い手なども、やとってこなければならないと感じる。これを、ドラマでは、レコードで代用していた。

しかし、大正時代のレコードであるが、その録音時間や音量から考えて、寄席の踊りの音楽としては、生演奏の方がいいにきまっている。このあたり、ドラマの作り方として、ちょっと雑かなという気がする。

それから、安来から来た女性たちは寮にはいる。ここはどうしても、前作『ひよっこ』の乙女寮を思い出してしまう。その寮で生活をともにした女性たちが、実に個性的に描かれていた。今回の『わろてんか』ではどうなるだろう。

さらにいえば、安来節が流行ったということは歴史的にあるとしても、なぜ、何がきっかけで流行り始めたのか、そこのところの説明があってもよかったようにも思う。

ともあれ、今年の放送はこれでおわった。来年は、安来節の続きからである。楽しみに見ることにしよう。

追記 2018-01-07
この続きは、
やまもも書斎記 2018年1月7日
『わろてんか』あれこれ「みんなの夢」
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/01/07/8764502