アナザーストーリーズ「華麗なるご成婚パレード 世紀の生中継・舞台裏の熱戦」 ― 2025-07-24
2025年7月24日 當山日出夫
アナザーストーリーズ 「華麗なるご成婚パレード 世紀の生中継・舞台裏の熱戦」
再放送である。最初は、2021年3月10日。
昭和34年の、皇太子御成婚のときのことは、知識としては知っていることになるが、リアルタイムでの記憶にあるというのではない。私は、昭和30年の生まれだから、覚えてないとしても、普通だろう。そして、このときには、我が家にはまだテレビがなかった。
テレビで見た記憶にある大きなイベントというと、東京オリンピック(昭和39年)ぐらいから、ということになる。
昭和34年のテレビの草創期のころ、テレビマンといような連中はろくでもないやつらばっかりだっただろうと思うが、どうなのだろうか。映像としては、戦後の日本映画の全盛期であり、報道という点では新聞が圧倒的な存在感があった時代であった。TBSがラジオ局のおまけのような存在だったと言っていたが、これは、フジテレビが文化放送のおまけのようなものだったと同じだろう。今のテレビ朝日が、NETであった時代のことを私は記憶している。この朝日系列と毎日系列の、報道番組のネジレを解消したのが、田中角栄であったことは、かなり後になって、ロッキード事件のかなり後になってから、知ったことである。
番組の最後で、NHKのスタジオのシーンで、池田彌三郎先生が映っていた。池田先生は、慶應義塾大学の文学部で一年生のとき(日吉の教養)に、習った。そのときのテキスト、角川文庫版の「百人一首」は、いまでも持っている。(「百人一首」の研究も、現代では非常にすすんできて、その成立論をめぐっては、新しい考え方が出てきている。余計なことだが、今でも読めると思うが、岩波文庫の『百人一首一夕話』は、日本文学を勉強する学生なら、読んでおくべき本の一つだと、いまだに思っている。)
御成婚パレードをテレビ中継するために、NHK、TBS、日本テレビの、三社がそれぞれに競った有様は、いまなら、まだかろうじて当時の証言を得られるということになる。しかし、動く映像記録を残しているのは、NHKだけということになるらしい。
印象的だったのは、御成婚パレードを写真に撮った男性の言ったことば。写真は一枚しか撮っていない。なぜなら、実物を肉眼で見たいから。非常にまともな感覚である。これが、今だったら、集まった人たちはスマートフォンのカメラを向けているだけになる。私なら、小さいディスプレイで映像を見るよりも、実際の目の前の姿を見ていたいと思うのであるが、これは、もう通用しない考え方かとも思う。
子どもが幼稚園のとき、今から、30年以上ほど前のことになるが、幼稚園の園長先生が言っていた……このごろでは、運動会で拍手がない。集まった保護者は、ビデオカメラでの撮影ばかりしていて、実際に走る子どもの姿を見ていないし、拍手もしない……これが、30年以上も前の話になるが、現在では、すっかりスマートフォンになっているのだろうと思う。
2025年7月22日記
アナザーストーリーズ 「華麗なるご成婚パレード 世紀の生中継・舞台裏の熱戦」
再放送である。最初は、2021年3月10日。
昭和34年の、皇太子御成婚のときのことは、知識としては知っていることになるが、リアルタイムでの記憶にあるというのではない。私は、昭和30年の生まれだから、覚えてないとしても、普通だろう。そして、このときには、我が家にはまだテレビがなかった。
テレビで見た記憶にある大きなイベントというと、東京オリンピック(昭和39年)ぐらいから、ということになる。
昭和34年のテレビの草創期のころ、テレビマンといような連中はろくでもないやつらばっかりだっただろうと思うが、どうなのだろうか。映像としては、戦後の日本映画の全盛期であり、報道という点では新聞が圧倒的な存在感があった時代であった。TBSがラジオ局のおまけのような存在だったと言っていたが、これは、フジテレビが文化放送のおまけのようなものだったと同じだろう。今のテレビ朝日が、NETであった時代のことを私は記憶している。この朝日系列と毎日系列の、報道番組のネジレを解消したのが、田中角栄であったことは、かなり後になって、ロッキード事件のかなり後になってから、知ったことである。
番組の最後で、NHKのスタジオのシーンで、池田彌三郎先生が映っていた。池田先生は、慶應義塾大学の文学部で一年生のとき(日吉の教養)に、習った。そのときのテキスト、角川文庫版の「百人一首」は、いまでも持っている。(「百人一首」の研究も、現代では非常にすすんできて、その成立論をめぐっては、新しい考え方が出てきている。余計なことだが、今でも読めると思うが、岩波文庫の『百人一首一夕話』は、日本文学を勉強する学生なら、読んでおくべき本の一つだと、いまだに思っている。)
御成婚パレードをテレビ中継するために、NHK、TBS、日本テレビの、三社がそれぞれに競った有様は、いまなら、まだかろうじて当時の証言を得られるということになる。しかし、動く映像記録を残しているのは、NHKだけということになるらしい。
印象的だったのは、御成婚パレードを写真に撮った男性の言ったことば。写真は一枚しか撮っていない。なぜなら、実物を肉眼で見たいから。非常にまともな感覚である。これが、今だったら、集まった人たちはスマートフォンのカメラを向けているだけになる。私なら、小さいディスプレイで映像を見るよりも、実際の目の前の姿を見ていたいと思うのであるが、これは、もう通用しない考え方かとも思う。
子どもが幼稚園のとき、今から、30年以上ほど前のことになるが、幼稚園の園長先生が言っていた……このごろでは、運動会で拍手がない。集まった保護者は、ビデオカメラでの撮影ばかりしていて、実際に走る子どもの姿を見ていないし、拍手もしない……これが、30年以上も前の話になるが、現在では、すっかりスマートフォンになっているのだろうと思う。
2025年7月22日記
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