『ARG』376号の感想など2009-05-26

2009/05/26 當山日出夫

「ARG」367号の感想などすこし。今日は、「休校」。先ほど、映像学部に、休校措置への対応のメールを送ったばかり。幸か不幸か、担当のデジタルアーカイブ論は、木曜日。ぎりぎり、休校の日からはずれているので、影響をうけない。最終日、なんとか「まとめ」の話しをして終わり、の予定。

まず、郡山女子大学のパスファインダーの件。なぜか(?)私のブログが参照されているので、ひとことだけ。

http://library.koriyama-kgc.ac.jp/

http://library.koriyama-kgc.ac.jp/path/


ユーザが図書館にともめるものはなにか。
1.めざす本・論文があるかどうか
2.それが読めるかどうか
3.複写や貸し出しか可能かどうか

これが、(私の立場からすれば)基本。


それと、もう一つの方向は、「このようなことを調べたいのですが、どんな本や論文がありますか」ということ。これが専門的になればなるほど、ピンポイントの情報になる。いいかえれば、今、自分が調べようとしていることを、先に調べた人がいるかどうか(いわゆる先行研究)があるかどうか。

実際に論文を書こうと思うと、こちらの方に時間をついやす。(そして査読では、「この先行研究論文に言及していないので」とマイナス評価になったりする)。

このAとB、学生レベルと専門の研究者レベルでは異なる。そして、専門的な研究者でも、自分の専門領域を、少しでもはずれると、もうわからない、という状況になる。

さて、では、「論文の書き方」の本を図書館に探しに行くとどうなるか。

・学生であれば、自分の専攻分野の論文の書き方(特に、参考文献リストの書き方を知りたい)

・専門家であれば、(自分の専門ではない)他の分野の方式を知りたいことがある。論文の書き方を教えるような授業をするとき。

そして、いわゆる伝統的な人文学研究については、その情報が、WEBにはとぼしい。そもそも、WEBの情報にかたよりがある。この偏りの傾向をあらかじめ知っているかどうか、が問題である。

コンピュータやWEBを日常的につかうような分野では、論文の書き方のマニュアル化もすすんでいる。知の顕在化。一方、そのようなものは、先生のマネをしておぼえるという、分野もある。暗黙知とでもいえる。

そもそもの、この偏りを図書館の人ががわかって、レファレンスサービスに従事するかどうか、だと思う。あえていえば、「すでに本になったものだけを対象とするのが図書館である」、でいいのだろうか。

本にできない、また、しない「知」というものもある。

図書館がWEBにかかわるようになったとき、むしろ、このような問題点が露呈してきたと考えることはできないだろうか。

他にも書きたいことはあるが、追って時間をみつけて。

當山日出夫(とうやまひでお)

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