『車輪の下で』ヘッセ/松永美穂(訳)2022-01-03

2022年1月3日 當山日出夫(とうやまひでお)

車輪の下で

ヘッセ.松永美穂(訳).『車輪の下で』(光文社古典新訳文庫).光文社.2007
https://www.kotensinyaku.jp/books/book45/

この作品、なんとなく読まずにきてしまった作品である。いや、読まなかったというのは正確ではない。たしか、中学だか、高校だかの国語の教科書に、その一部が採録されていたのを、なんとなく覚えている。しかし、全編を読むということなく終わってしまった。

光文社古典新訳文庫で、新しい訳がでているので読んでみることにした。この作品は、他にもいくつかの訳が今でも刊行になっている。どれで読んでもいいようなものかもしれないのだが、ここは、一番新しい訳で読んでみようと思った。

教養小説である。主人公はハンス。学校の勉強はできる。試験をうけて、神学校に入学することになる。しかし、そこで挫折を味わうことになる。故郷に帰って、職人の道を選ぶ。職人として仕事を覚え始めるのだが……という展開。

この歳になって、この作品を読んでみると、まあ生きていくというのはいろいろと大変だよな、というような感慨が思い浮かぶ。これが、若いとき、高校生ぐらいのときに、この本を読んでいれば、また違った感想をいだいたにちがいない。だが、もう私も若くはない。それどころか、老人の範疇に入るようになってしまった。その目で、このような、若い時代のことを描いた文学を読むと、何かしら新鮮な気持ちになったりもする。これもまた、読書の楽しみかもしれない。

読んで思うこととしては、この作品は、自然の風景描写が実にいい。季節の移り変わりを、きわめて丁寧に描いている。また、釣りをする場面があるのだが、これが面白い。(ただ、私自身は、釣りはしない生活であるのだが。)

2021年12月10日記

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2022/01/03/9453051/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。