『らんまん』あれこれ「ヒメスミレ」2023-08-06

2023年8月6日 當山日出夫

『らんまん』第18週「ヒメスミレ」

この週ではいろんなことがあった。

印象に残るのは、万太郎が田邊教授に植物学教室への出入りを禁じられたことである。これは、史実として、牧野富太郎はたしかに東大植物学教室に出入りを禁じられているので、これをなぞっている。

その理由は、考えるところがある。帝国大学理科大学教授という田邊の立場と、まったくの在野であり学歴のない万太郎である。しかし、植物学者としての才能はある。ただ、それだけのことだったら、田邊は出入り禁止にはしなかったろう。おそらくそこの背景にあるのは、万太郎の、純粋な植物への愛情、純真無垢な気持ち、天真爛漫さ、というものであろうかと思う。これは、おそらく田邊教授の生き方と、相容れないものである。といよりも、まったく別の世界のものと言っていいだろうか。

このあたりは、学者の世界によくある反目や嫉妬とはちょっと次元の違った何かであったと感じさせる描写になっていた。

それから、土佐の峰屋のこと。これも史実としては、牧野富太郎は実家はつぶれてしまうということであった。このドラマでは、酒蔵として、酒造りに失敗したということになっていた。さて、これから、綾と竹雄はどう生きていくことになるだろうか。

園子が死んでしまった。明治のはじめのころである。乳幼児死亡率はきわめて高い。子供が死ぬということは、そう珍しいことではなかったはずであるが、しかし、このドラマでは哀切をこめて描いていた。

さて、次週、綾と竹雄もさらに登場するようだ。楽しみに見ることにしよう。

2023年8月5日記

ドキュメント72時間「大阪コリアタウンで会いましょう」2023-08-06

2023年8月6日 當山日出夫

ドキュメント72時間 大阪コリアタウンで会いましょう

近鉄の鶴橋の駅は、たまに大阪に行くときに通ったり、乗り換えにつかったりする。しかし、この駅で降りて街を歩いたということはあまりない。

生野区のコリアタウンである。私の世代の感覚からすると、韓国、朝鮮に対する日本の人びとの感覚は大きく変わってきたことを感じる。それと同時に、韓国、朝鮮の人びとの日本に対する感覚も変わってきている。(ただし、北朝鮮のことについては、よくわからないでいるというのが実際ではあるが。)

私が朝鮮語を勉強したのは、大学生のとき。そのころ、学部では朝鮮語の授業がなかったので、慶應義塾外国語学校の授業を履修した。国語学、日本語の歴史を勉強するのに、朝鮮語の知識は必須だと思ったからである。しかし、このころ、国文学、国語学を勉強する学生で、朝鮮語を学ぼうという学生はほとんどいなかった。

それが近年では、日本語学を勉強しようというならば、朝鮮語、中国語の知識は不可欠というふうに、おおかたの認識が変わってきている。

そして、最近、韓国という国も、普通の外国の国として、多くの人びとに意識されるようになってきている。番組のなかで印象的だったのは、差別とういのは、一方的なものではないということへの言及である。双方の意識の問題というところもある。それが、このところ変わってきていることはたしかだろう。

なお、私は、言語の名称としては、朝鮮語ということにしている。ハングルというのは文字の名称である。

2023年8月5日記