映像の世紀バタフライエフェクト「プーチンとゼレンスキー ロシアとウクライナの100年」2023-08-31

2023年8月31日 當山日出夫

映像の世紀バタフライエフェクト プーチンとゼレンスキー ロシアとウクライナの100年

ウクライナで戦争が始まってから、ウクライナやロシアについていくつものテレビ番組がつくられ、いろんな本も出されている。そのいくつかは見たり読んだりはしている。そのなかにあって、この放送は特に印象に残る。

ロシアとウクライナの、過去100年の歴史をたどりながら、現在の独立国であるウクライナが、どのような歴史的背景のもとに成立した国家なのか、分かりやすく語っていたと思う。一方、ロシアの側においても、ウクライナをロシアの一部とする考え方が、根強いものであることが理解される。

二〇二二年のときに、プーチンがウクライナ侵攻を開始したのは、誤算があってのことだろう。ゼレンスキーは、簡単には屈服しなかった。

ゼレンスキーがコメディアンであったことはよく言われることだが、その実際の活動がどんなであったか、映像で見たのは始めてである。このような経緯で、コメディアンが大統領になったのかと思う。

ただ、ウクライナとロシアとの関係だけではなく、そこにユダヤ人やヒトラーが関係することになる。これは、かなりややこしい関係である。ウクライナの人びとにとって、ヒトラーはスターリンの暴政からの解放者であったことは、歴史的に重要なことかとも思う。

国家と民族とナショナリズムと、これらの関係はそう簡単ではない。(私は、ナショナリズムという意識を悪いものだとは思ってはいない。)

少なくとも言えることは、ロシアのウクライナ侵攻によって、ウクライナ国民というものをより強固なものとして作りあげてしまったことはたしかだろう。もし将来、何らかのかたちで停戦が実現するとしても、相互の国民の感情は容易に和解できるものではないだろう。

2023年8月30日記