サイエンスZERO「潜入!科学警察研究所“科学捜査”で事件を解決せよ」2023-08-09

2023年8月9日 當山日出夫

サイエンスZERO 潜入!科学警察研究所“科学捜査”で事件を解決せよ

たまたま気づいたので録画しておいて見た。これは面白かった。

科学捜査ということは、よく目にすることではあるが、実際にどのようなことがどのように行われているのかは、知らないでいる。

指紋の鑑定技術など、こういうことも分かるのかと思う。ガラスの屈折率は、理屈のうえでは分かることなのだが、実際にどのようにして判断しているのか、とても興味深かった。

監視カメラ画像による人物の特定、これは、問題がある技術かもしれない。現代では世界中で、監視カメラによる監視社会になってきている。もうすでに、顔の特徴だけではなく、その全身の姿、動作、歩き方というものから、細かく人物特定は可能なのかとも思う。ただ、番組ではそこまでのことは語ってはいなかった。

技術というのは、それをどう使うか、かなり政治的な側面をふくんでいる。科学捜査の技術は、あくまでも政治からは中立で、人びとの生活のために役立つものであってほしいと思う。

2023年8月7日記

100分de名著「司馬遼太郎“覇王の家” (1)「三河かたぎ」が生んだ能力」2023-08-09

2023年8月9日 當山日出夫

100分de名著 司馬遼太郎“覇王の家” (1)「三河かたぎ」が生んだ能力

この100分de名著でこれまで司馬遼太郎を取りあげてきていないというのも、改めて驚きと言っていいだろうか。が、その作品のなかから何を選ぶかとなると難しいだろう。この意味では、今年、大河ドラマで『どうする家康』をやっているにあわせて『覇王の家』を持って来るというのは、いいアイデアだと思う。

私は、『覇王の家』は読んでいない。司馬遼太郎の主な歴史小説は読んだつもりでいるが、これは未読である。『坂の上の雲』『翔ぶが如く』は二回読んだ。司馬遼太郎の作品は、新聞連載が多い。そのため、細切れに読んでもなんとかついていける。若いときは、出かけて電車の中で読む本と決めて司馬遼太郎を呼んでいた。『坂の上の雲』もほとんど電車の中で読んだと憶えている。

人間史観という。言われてみればなるほどそうである。司馬遼太郎に限らずであるが、歴史小説は、あくまでも人間を描くものだと思っている。この観点からするならば、唯物史観とは相容れない。そして、司馬遼太郎が歴史小説家として活躍していたころは、まさに歴史学において、唯物史観が全盛期であったともいえようか。

それについていけない、あるいは、不満を持つような多くの読者にとって、司馬遼太郎は、歓迎される作家であったことになる。また、その歴史小説のなかでなされる、文明論的な講釈が、また人を引きつけることになった。(現代では、むしろ、その余計な部分がある意味では煩わしいと感じるところもあるかもしれない。)

この回で語られていたことのキーワードとしては、三河ということと、中世的情念、ということになるだろうか。えてして司馬遼太郎は、登場人物を類型化してあつかう。この類型化の小説作法になじむ読者にとっては、非常に面白く読めるということでもある。

歴史を語ることと、文学を語ることのあいだに、歴史小説を読む楽しみがあるというべきだろうか。

2023年8月8日記