「いのち眠る海 〜最新調査で明かす太平洋戦争〜」2023-08-10

2023年8月9日 當山日出夫

NHKスペシャル いのち眠る海 〜最新調査で明かす太平洋戦争〜

見ていて思うところはいろいろとある。

あまり本筋とは関係ないことなのだが、マリアナ沖、トラック諸島、これらの戦闘の記録が、カラーフィルムで残っていることである。アメリカ軍が撮影したものなのだろう。こういう記録フィルムを見ると、勝てる戦いではなかったことが実感される。

最新のデジタル技術で、海に沈んだ戦闘機や船舶の姿を復元してみせること、これ自身が、技術の可能性の問題として興味深い。

ただ、そうまでして遺骨収集というのはやらなければならないことなのだろうか、という思いもある。ある種の考え方かもしれないが、このまま海のなかで自然に分解していくにまかせるという考え方もあっていいだろう。

だが、観光のためにダイビングして写真を撮ってSNSにあげて楽しむというのは、はっきり言って品位に欠ける行為であるとは思う。まずは、政府が、このような行為に対しては、きちんと対応すべきなのであろう。

ナレーションは、伊藤沙莉。おさえた語りが非常によかった。

2023年8月8日記

「原子爆弾・秘録 〜謎の商人とウラン争奪戦〜」2023-08-10

2023年8月10日 當山日出夫

NHKスペシャル 原子爆弾・秘録 〜謎の商人とウラン争奪戦〜

これまでマンハッタン計画については、さまざまに報じられてきている。だが、その原料となるウランの調達にどのような背景があったのかは、知らないでいた。この意味で、貴重なテーマであったと思う。

興味深いのは、ウラン鉱脈が発見されたとき、その時代においては、まだ価値が認識されていなかったことである。その価値に気づいたのは、アメリカ、イギリスであった。

少なくとも、番組を見る限りでは、ごく普通のビジネスと思える。ただ、そのあつかった商品が、世界にどのような影響を及ぼすことになるか、予見はできなかったろう。また、今の時代の価値観から、それを断罪することもどうかと思う。その時代の流れのなかにあって、たまたまウラン鉱山のビジネスにたずさわったという経緯があったことになる。これは、事実として認識しておくべきことである。

ところで、今の世界でウランというのは、どのように調達されているのであろうか。このあたりのことが気になる。

そして重要なことは、記録を残すことである。ウランの取引の記録がアーカイブされて残っていることは、重要である。なかには、当時の機密文書もある。記録を残し保存しておくこと、このことの重要性をあらためて考えることにもなった。

2023年8月9日記