「この世をばわが世とぞ…? 〜藤原道長 平安最強の権力者の実像〜」2024-01-03

2024年1月3日 當山日出夫

英雄たちの選択 この世をばわが世とぞ...? 〜藤原道長 平安最強の権力者の実像〜

『光る君へ』の放送開始を前にしての再放送。二〇二一年のものである。二〇二一年というと、『光る君へ』のことは、まだオープンになっていなかった時期のことであるから、それとは無関係に作った企画の番組ということになる。

興味深かったのは、倉本一宏の言っていたこと……道長の時代は、古代の終わりであると同時に中世のはじまりである。なるほど言われてみればそうかと思う。このあたりは、平安時代の中期から後期、ちょうど藤原氏の摂関政治の時代、平安貴族の王朝文化の時代、女房文学の時代、このような時代を日本史全体の流れのなかでどう考えるかというところにつながっていくことになる。

「この世をば……」の歌についてであるが、いろんな解釈ができるだろう。かなり天邪鬼な読み方かもしれないが、この歌の根底には無常感があると感じる。月はかならず欠けるものである、それと同じように、今栄華をほこっている自分もいずれはこの世から去っていくことになる……このような感慨をどこか感じてしまうのであるが、どうであろうか。

ともあれ、この歌が、『御堂関白記』には残っておらず、『小右記』に残されているということは、面白い。

2024年1月1日記

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