サイエンスZERO「左?右?生命の不思議な“しかけ”」2025-10-31

2025年10月31日 當山日出夫

サイエンスZERO 左?右?生命の不思議な“しかけ”

番組の趣旨とはまったく関係ないことだが、京都大学の研究室で、これまでのフィールドノートが、とても大事にあつかわれていて、こういうことに、感動を覚えるところがある。研究者にとって、何よりも大事なものである。

むか~し、中学生になったとき、担任の先生が、地理学が専門の先生だったのだが、フィールドノートを使うことを指導されたことを憶えている。今から、半世紀以上も前のことになる。しかし、そのころと同じ体裁のノートが今でも残っていて、実際に研究の現場で、使われつづけているということは、感慨深いものがある。綠色の厚紙の表紙で、中を開くと、水色の縦横の罫線がある。(これは、調べると今でも売っている。)

生物にとって右と左というのは、とても面白い問題である。

生物の多くは、外見は多くの場合、左右対称であるが、内臓は非対称である。こうなるメカニズム、そのスイッチの入る瞬間の映像は、とても興味深い。生物の体が、どういうメカニズムでこうなっているのかが分かる、体の作られ方ということが、さらに分かるということにつながるだろう。おそらく、次のこととしては、遺伝子レベルで、どう関係するのかということを、研究することになるにちがいない。

左利き、右利きということも、不思議である。完全に右利きばかり(逆はきわめて希)ということなら、あるいは、右利きと左利きと半々になる、ということなら、そうなるのかなと理解しやすいのだが、人間の場合、一割ぐらいが左利きというのは、いかにも中途半端な数字のように思える。これは、どうしてなのだろう。

そもそも、人間に聞き手があるのは何故か、ということであるが、ゴリラの研究から、道具の使用に、進化的起源を求めるというのは、あっていい考え方だと思う。しかし、そうだとしても、右利きが多くなる理由の説明にはならない(と、思われる。)

口の形が、左右非対称の魚は面白い。エサをとるのに、右からいくか、左からいくかは、生まれてから学習することによって身につくものである。そして、その右の魚と、左の魚が、隔年で増えたり減ったりしているというのは、それで、全体としてバランスがとれていて、種としての生き残りに役立っていることになる。

普通の動物は、その体の外見、体の模様などは、基本的に左右対称である。身近な動物では、ネコはそうではない。見ていると、キジトラなどの場合は、左右対称になっている。しかし、三毛猫などの場合は、その体の色は左右対称ではない。いや、てんでばらばらなデザインである。人間に飼われるというネコだから、自然界で生きのびるということが無いので、こうなってもいいのかと思うが、ネコの体の模様と、左右対称ということは、どういうふうに考えればいいのだろうか。

2025年10月27日記

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