日曜劇場『この世界の片隅に』第二話 ― 2018-07-25
2018-07-25 當山日出夫(とうやまひでお)
TBS日曜劇場『この世界の片隅に』第二話
http://www.tbs.co.jp/konoseka_tbs/story/v2.html
前回は、
やまもも書斎記 2018年7月18日
日曜劇場『この世界の片隅に』第一話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/07/18/8920419
このドラマ、原作に忠実に、というよりも、原作の描こうとしていることに忠実であろうとしているように感じる。それは、「日常」である。
原作でいえば、第二話は、上巻の後半ぐらいになる。嫁いで家をでていた径子が帰ってきて、それをうける形で、すずは実家に帰ることになる。が、それでも、結局は北條の家にもどる。
この第二話で原作にない部分でうまいと感じたのは、第一話の人さらいのシーンの回想。なぜ、周作は、すずの名前を知っていたのか……幼いときの回想シーンが、たくみにおりこんであった。ここまで見て、第一話の冒頭に、人さらいの場面を持ってきた理由がはっきりする。ただ、原作にあっただけではなく、ここの回想シーンに持ってきたことで、ドラマの筋がつながる。
漫画(原作)では、楠公飯を作ったりというあたりが巧妙に描かれているのだが、ドラマでは登場しなかった。まだ、出てこないだけで次回以降に出てくるのかもしれない。また、戦時下の隣組の制度についても、ドラマでは比較的簡単な描写で済ませてあった。
ともあれ、岡田惠和脚本のこのドラマで描こうとしているのが「日常」であるということは、はっきりしていると感じさせる。それが、たまたま太平洋戦争中のことであっただけで、すずという一人の女性の「日常」の感覚であることは、確かなメッセージとして伝わってくる作り方であった。
普通に生活している普通の人間の生活感覚というのを描かせると、岡田惠和はうまいと思う。ドラマは、これから、戦時下の生活、それから、空襲があり最終的には広島への原爆投下、さらに戦後のことまで描くことになるのだろうが、それを、普通に生きている人間の感覚で描くことになるのだろう。特に反戦というようなメッセージをあらわにしない。しかし、だからこそ、戦争がなければより平穏に暮らせたはずの「日常」というものが、きわだってくる。
それから謎なのが、このドラマでオリジナルに追加されている現代のパート。なぜ、あの女性はすずのことを知っているのか。それが明らかになるのは、このドラマの進行にしたがってということであるのだろう。
TBS日曜劇場『この世界の片隅に』第二話
http://www.tbs.co.jp/konoseka_tbs/story/v2.html
前回は、
やまもも書斎記 2018年7月18日
日曜劇場『この世界の片隅に』第一話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/07/18/8920419
このドラマ、原作に忠実に、というよりも、原作の描こうとしていることに忠実であろうとしているように感じる。それは、「日常」である。
原作でいえば、第二話は、上巻の後半ぐらいになる。嫁いで家をでていた径子が帰ってきて、それをうける形で、すずは実家に帰ることになる。が、それでも、結局は北條の家にもどる。
この第二話で原作にない部分でうまいと感じたのは、第一話の人さらいのシーンの回想。なぜ、周作は、すずの名前を知っていたのか……幼いときの回想シーンが、たくみにおりこんであった。ここまで見て、第一話の冒頭に、人さらいの場面を持ってきた理由がはっきりする。ただ、原作にあっただけではなく、ここの回想シーンに持ってきたことで、ドラマの筋がつながる。
漫画(原作)では、楠公飯を作ったりというあたりが巧妙に描かれているのだが、ドラマでは登場しなかった。まだ、出てこないだけで次回以降に出てくるのかもしれない。また、戦時下の隣組の制度についても、ドラマでは比較的簡単な描写で済ませてあった。
ともあれ、岡田惠和脚本のこのドラマで描こうとしているのが「日常」であるということは、はっきりしていると感じさせる。それが、たまたま太平洋戦争中のことであっただけで、すずという一人の女性の「日常」の感覚であることは、確かなメッセージとして伝わってくる作り方であった。
普通に生活している普通の人間の生活感覚というのを描かせると、岡田惠和はうまいと思う。ドラマは、これから、戦時下の生活、それから、空襲があり最終的には広島への原爆投下、さらに戦後のことまで描くことになるのだろうが、それを、普通に生きている人間の感覚で描くことになるのだろう。特に反戦というようなメッセージをあらわにしない。しかし、だからこそ、戦争がなければより平穏に暮らせたはずの「日常」というものが、きわだってくる。
それから謎なのが、このドラマでオリジナルに追加されている現代のパート。なぜ、あの女性はすずのことを知っているのか。それが明らかになるのは、このドラマの進行にしたがってということであるのだろう。
追記 2018-08-01
この続きは、
やまもも書斎記 2018年8月1日
日曜劇場『この世界の片隅に』第三話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/08/01/8929763
この続きは、
やまもも書斎記 2018年8月1日
日曜劇場『この世界の片隅に』第三話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/08/01/8929763
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