『この世界の片隅に』(上)こうの史代2020-08-22

2020-08-22 當山日出夫(とうやまひでお)

この世界の片隅に(上)

こうの史代.『この世界の片隅に』(上).双葉社.2008
https://www.futabasha.co.jp/booksdb/book/bookview/978-4-575-94146-3.html

NHKで映画の放送があったので見た。

やまもも書斎記 2020年8月13日
映画『この世界の片隅に』
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/08/13/9278085

この本については、以前にも読んでいる。

やまもも書斎記 2016年12月11日
こうの史代『この世界の片隅に』
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2016/12/11/8273353

テレビドラマも見ている。

やまもも書斎記 2018年7月18日
日曜劇場『この世界の片隅に』第一話
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2018/07/18/8920419

本棚にしまってあった本を取り出してきて、順番に読んでいっている。

原作の漫画を読むのは久しぶりである。読んでみると、主人公のすずの科白が、頭のなかで、のんの声になったり、松本穂香の声になったりする。

久々に再読して思ったことなど書いて見ると、次の二点ぐらいになる。

第一に、すずは小学校しか出ていないということ。

これが、その当時として普通だったのだろう。小学校で、ともだちの中には女学校に行く生徒もいたことが描かれる。しかし、海苔の仕事をしているすずの家では、子どもを女学校にやるということはなかった。小学校を卒業してからは、家の手伝いをしているようだ。そして、突然に縁談がきて、呉にとつぐことになる。

第二に、戦時下での呉のくらし。

上巻は、昭和一九年までである。まだ、空襲がひどくなるまえである。だが、生活は困窮している。食糧も、自由にならない。そんななかで、広島から、いきなり呉の街にやってきたすずの日常が、細やかに描かれる。

なるほど、戦時下の人びとの暮らしはこんなだったのか……これまで、さんざんドラマや映画、また、小説などで描かれてきたところではあるが、こうの史代の漫画で描くそれは、また違った情感がある。日々の日常生活の細やかな描写が、漫画ならではの表現でうまく描写されていると感じる。

以上の二点が、『この世界の片隅に』の上巻を、再読してみて思ったことなどである。

順次、中・下と読んでいきたいと思う。

2020年8月16日記

追記 2020-08-24
この続きは、
やまもも書斎記 2020年8月24日
『この世界の片隅に』(中)こうの史代
http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/08/24/9281607

コメント

コメントをどうぞ

※メールアドレスとURLの入力は必須ではありません。 入力されたメールアドレスは記事に反映されず、ブログの管理者のみが参照できます。

※なお、送られたコメントはブログの管理者が確認するまで公開されません。

※投稿には管理者が設定した質問に答える必要があります。

名前:
メールアドレス:
URL:
次の質問に答えてください:
このブログの名称の平仮名4文字を記入してください。

コメント:

トラックバック

このエントリのトラックバックURL: http://yamamomo.asablo.jp/blog/2020/08/22/9280939/tb

※なお、送られたトラックバックはブログの管理者が確認するまで公開されません。