「悪霊の館!?アメリカ巨大迷宮の謎 〜呪われた銃と女性大富豪の真実〜」2024-08-21

2024年8月21日 當山日出夫

ダークサイドミステリー
「悪霊の館!?アメリカ巨大迷宮の謎 〜呪われた銃と女性大富豪の真実〜」

これは面白かった。

ウィンチェスターハウスというのは、知らなかった。しかし、ウィンチェスターについては、銃の名前としては、知っていた。それで稼いだ富豪の未亡人が建てた謎の建物、増築を重ね部屋数が五〇〇もある、幽霊が出る、ということなのだが、その背景を探っていくと、まさにアメリカ社会の縮図というべきものが浮かびあがってくる。

ここは、アメリカの観光名所になっているらしい。これはこれとして、とても興味深い。

銃社会としてのアメリカ、それに対する罪悪感、一九世紀から二〇世紀にかけての新聞ジャーナリズムの悪弊、新聞が売れるならウソでも何でも書く、でっち上げ記事で戦争になってもいい、新聞によって作りあげられたウィンチェスター婦人のイメージ、無法地帯だった当時の西海岸、しかし、その一方で、今でもスピリチュアリズムにのめり込むアメリカ人というもの……これらが、総合的に見えてくる。

それが、いわゆるポピュリズム、社会の分断にまで話しが及ぶと、まあ、背景にはこういうこともあるのだろうなあ、と思う。

人は、真実ではなく物語を好むというのは、確かにそのとおりだろう。

この屋敷にある純粋階段とか純粋ドアとか、サンフランシスコ地震で、人手が足りなくなったので、そうなってしまったという解釈は、そんなものかなと思うが、そう説明されるとちょっと味気ない感じもする。

ウィンチェスター婦人が、晩年に慈善家として、結核療養のための病院を作っているというのも、アメリカならではの話しだなと思う。謎の屋敷を建てただけではなかった。

番組のなかで紹介されていたが、二一世紀になっても、この屋敷で降霊会をやったらしい。よほどアメリカ人は、こういうのが好きらしい。近代的な合理主義と、スピリチュアリズムが混在したアメリカの姿というものを、なんとな感じとることのできる番組だった。

また、ウィンチェスター婦人の事跡を調べようとするとき、地元の文書館に、多くの資料が残されていることも、重要なことであると思う。資料を残しておくことの意味についても、考えるところのある番組だった。

2024年8月14日記

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