ETV特集「ガザ〜私たちは何を目撃しているのか〜」2024-02-07

2024年2月7日 當山日出夫

ETV特集 「ガザ〜私たちは何を目撃しているのか〜」

たぶん、日本という国として出来ることはほとんど何もないのだろうと思う。せいぜい出来ることとしたら、ガザの人びとへの人道的支援ぐらいだろう。

この番組の作り方としては、多様な意見を捕らえようとしている。今のイスラエルの人びとの気持ち、それにはハマスへの憎悪があり、それがパレスチナへの反感につながっている。一方、ガザの人びとが何を思っているのか。必ずしもハマスを支持しているということではない。

複雑な歴史的経緯のある地域である。パレスチナ全体がイスラエルのものだという立場もあれば、反対に、この世からイスラエルを抹殺してしまえばよいという立場もある。これは、その両極端ではあるが。

理想論かもしれないが、もっとも重要なのは、ガザの人びと、イスラエルの人びとの暮らしが尊重されるべき、というところかと思う。ガザの人びとが、封鎖された地域に閉じ込められてきたということであり、そこでの生活が保障されるものではなかったということについては、イスラエルに責任があることになる。しかし、だからといって、昨年のハマスによる攻撃が正当化されるということはない。

空論と言われるかもしれないが、そこに住む人びとの生活を尊重し、自由と尊厳が重んじられること、そのためには、理性的な対話と教育に時間をかけるしかないだろう、これぐらいのことしか思いつかない。

戦争をおわらせるのは容易ではない。ここまで戦って犠牲をはらってきた。ここでやめてしまっては、これまでの犠牲が無駄になる。だからつづける。多くの場合、このような発想で戦争をやめることができないでいる。これが、おそらくは、歴史から学ぶことのできる最大の教訓だろう。あるいは、これこそが、人間の愚かさともいえるかもしれない。

どのような形になるにせよ、いずれ戦争は終わる。あるいは、長期間の停戦にいたるだろう。そのときに、ガザとイスラエルの人びとのこころに何が残るのか、これが最大の課題であろうか。

2024年2月6日記

ドキュメント20min.「デコトラ 〜魂を灯す男たち〜」2024-02-07

2024年2月7日 當山日出夫

ドキュメント20min. デコトラ 〜魂を灯す男たち〜

これは面白かった。

東映の「トラック野郎」シリーズは映画館で見た。高校生のころだったか、大学生になっていたか。(だが、このシリーズも、ある意味で時代遅れな企画だったのかもしれないと思うが。)

哥麿会というデコトラのグループがあることを知った。今、会員は三〇〇ほどだという。

会長のことばに、こころにしみるものがある。いろんなことがあり、人生の裏表を見てきた人間のことばだと感じる。デコトラは、光る灯台だという。この世の中に灯台を求めている人がいるのなら、その灯りをともさなければならない。

それにしても、デコトラは運転席の内装にまでこだわってつくってある。いったい何のためにという気もするが、それは乗る人の意識の問題なのだろう。でも、どんな業者が手がけているのだろうとか、デコトラの改装にどれぐらいのコストがかかるものなのか、ということもちょっと気になる。それでもデコトラに乗りたい人はいる。また、それに元気づけられる人もいる。

(法の規制の許す範囲においてということにはなるが)デコトラは、この世の中にあっていいものの一つだと感じる。

久々に、人情ということを感じた番組であった。

2024年2月6日記