BS世界のドキュメンタリー「潜入 タジキスタン 過激派を生む国の素顔」2025-10-28

2025年10月28日 當山日出夫

BS世界のドキュメンタリー 「潜入 タジキスタン 過激派を生む国の素顔」

2025年、フランス。

タジキスタンというと、はっきりいって、名前を知っている程度である。また、ロシアであったテロ事件のことは、ニュースで知っている。その犯人が、イスラム過激派ということぐらいは憶えていることだが、タジキスタン出身だったことまでは、憶えていなかった。

観光客のふりをして潜入取材ということは、あまり、日本のテレビ局はしない、と思われる。ばれたときのことが、おそろしい。もし、現地の政府に記者が拘束されるようなことになったら大変である。

国民のほとんどイスラムの信仰を持っているが、しかし、政権は世俗的である。女性が表でヒジャブを着用することが禁じられ、男性も髭をのばしてはいけない。

こういう状況だからこそ、イスラム過激派として、ISに加わるような若者が出てくるのかとも思うが、その一方で、都市部で、まったく世俗的な享楽的な生活をたのしんでいる若者もいる。貧しい農村で放牧でなんとか生きている人がいるのだが、夜になってクラブでお酒を飲むことを楽しむ人もいる。(いうまでもなく、イスラムの教えとしては、飲酒してはいけない。これも、地域差などあるとは思うが。)

中国の一帯一路構想のおかげ(?)で、道路ができる。その道路は、中国から、モスクワに行き、西欧までつながることになる。中国資本によって、工場が作られ、イチゴも工場のようなところで栽培される。サウジアラビアに輸出するという。こういうことの先には、伝統的なこの地域の人びとの生活が大きく変わるということがあるにちがいない。見方によっては、中国資本による、経済的支配ということになる。それを、この国の独裁政権は、受け入れる方針である。また、ロシアとも仲よくやっていく。地政学的な立場から考えて、中国とロシアとの間で、なんとか外交の舵取りをしていかなければ、生き残れない。

隣国のアフガニスタンのことが少し出てきていたが、アフガニスタンとしても、タリバン政権下にあるとはいっても、かせがないといけないし、国民のすべてが奴隷のようになるということでもないだろう。

現代の世界として、国民国家という枠組みで考えるかぎりは、タジキスタンの国内がどのようであれ……大統領一族の独裁体制であっても……戦争を起こしたりしなければ、とにかく国家として認めていくしかないことになる。その国家の体制が気に入らないからといって、潰してしまえ、ということでは、国際的秩序がなりたたない。

検索してみると、タジキスタンは、観光地としては魅力的なところとして紹介されている。まあ、世界には、観光地として見れば魅力的なところはいっぱいあることになるが、そこには、地元の人びとの生活と歴史があるということも、意識しておきたい。

2025年10月22日記

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