『ARG』416号の感想(2)2010-03-02

2010-03-02 當山日出夫

図書館をたとえてゴミ箱(=リサイクルボックス)、というのは、なかなか秀逸な発想だと思う。

国立国会図書館若手連続インタビュー(4)
「情報のゴミ箱としての国立国会図書館-井上奈智さん」

具体的には、次のように語られている。

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◆-井上:
最後の砦という言葉がでていましたが、いま情報過多でいろんな情報をとりあ
えず集めておく、っていうのがいちばんの国立国会図書館の使命だと思うので
す。
そして、同時にリサイクルセンターのようになって、こういう風に加工できる
よ、っていうのを見せていく。そういう過程を見てもらって、自分で活用を考
えてもらったり、あ、あれどこやったっけって思った方にゴミ箱に入っていま
したよ、私たちがとっておきました!っていえるような存在に国立国会図書館
はなってもらいたいです。

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この発想でいくならば、資料は図書資料に限定しないだろう。いわゆるMLA(美術館、博物館、図書館、文書館など)にはばひろく適用されるべき考え方ではないだろうか。図書館ではもてあましてしまった資料であっても、それが、博物館資料、あるいは、文書館資料としては、きわめて貴重という例は多いだろう。これは、今後、デジタル技術を基盤とした、MLA連携にむけての基本の発想として重要かもしれない。

いやむしろ事態は先に進んでいるともいえる。もはや、図書館が図書館としの従来の機能だけでは、もはや機能しない時代になってきているのではなかろうか。

いまいちど図書資料とは何かを再定義するなかで、これまでの図書館の枠組みを超えた取り組みがはじまることに期待したい。

當山日出夫(とうやまひでお)

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